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奴隷事件
15歳の女子中学生「瞳 七幸(ひとみ ななこ)」は、海で知らない男に連れ去られてしまう。その男は、自分が入っているグループの総長を殺されたと言うのだ。その様な事は全く身に覚えがないが、罪を償うためにアジトで一生家事と仕事をする事になる。七幸は奴隷からの解放を目指す。
|瞳《ひとみ》 |七《なな》|幸《こ》は、海で写真を撮っていた。
パシャ、パシャ、パシャ………
七幸(以下「七」)「やっぱり夕焼けはいいねぇ………あ、人写っちゃった」
?「おい!」
その写真に写った人が、話しかけてきた。
七「あ……なん…です….か?」
?「おまえ、俺たちの総長殺したろ!!」
七「え……こ、殺してないですよ………!」
?「見たんだからな!」
謎の男は、上着から結束バンド、ロープ、ガムテープを取り出し、七幸を結束バンドで手首と足首、ロープを体に巻きつけて、ガムテープで口を塞いだ。
そして、車でアジト(一戸建て)に連れ去った。
七幸は、なぜか眠くなった。
目を覚ますと、そこは一戸建てだった。
6人の大人が、黙って七幸を見ている。
さっきの男が口を開いた。
?「いいか、お前ら………こいつが零長様を殺したガキだ」
七「ん……え、え、ここどこ…………?」
?「アジトだ!お前はまだ喋るな」
七「……誰?」
?「うるさいなぁ………!!」
痩せ細っている女性から、自己紹介が始まった。
?「|私《わたし》は|壱《いち》|火《か》です」
?「|俺《おらぁ》|弐《に》|水《すい》だ!」
?「|俺《おれ》|参《さん》|雷《らい》だ!俺がお前をアジトへ運んだ!」
?「|私《わたくし》は|肆《し》|風《ふう》です」
?「|僕《ぼく》………|伍《ご》|闇《おん》………」
?「|私《わたし》は…|陸《ろっ》|光《こう》です……」
参雷(以下「参」)「お前はここで一生働くんだ!」
七「えー………」
七(脱出できないかな………)
夜。
集団は、ゲームで遊んでいた。
参「はっはっはっはっは!コイツよえ〜!……お前は仕事しろ!」
七幸は、いつもこき使われている。
七「ゲームどんだけするのよ……早く寝てよ……」
しばらくして、集団は寝始めた。
ここからは、自分の時間が自由に使える。
脱出の通路を探すことにした。
しかし、防犯カメラが設置されている。
一人、昼夜逆転で監視している人がいるからだ。
七幸は家事をするふりをして、通路を探している。
七「疲れた………………」
そして、自分の部屋の壁にもたれかかったその時。
ギィ………ガッ……………バコッ!
七「え、通路!?通ってみよう」
その穴の下には、はしごがかかっていた。
はしごを下りて、辺りを見回した。
そこには、高層ビルや大きな建物がずらりと並んでいる。
それに、エルフがそこら辺を歩いている。
ここは、異世界だった。
七「ここ……未来………………………?」
七幸は、公園を探し回ることにした。
七「…あ、なんか踏んだ…」
?「痛い!痛い!」
七「ああ、えーっと……」
?「ちょっと、足上げて!!」
七幸は、謎の声に言われた通りに足を上げた。
そこにいたのは、豆粒のようなものだった。
七「す、すごい………豆が喋ってる!!」
?「ロボットだよ!」
七「踏んじゃってたんだね、ごめん」
?「大丈夫!僕………名前無いや………」
七「じゃあ、まめくんでいい?
?「いいよ!」
「まめくん、なんでここにいるの?」
まめ(以下「ま」)「……持ち主に捨てられたんだよ」
七「……なんで………………?」
ま「あの人は友達がいないから、僕を友達にしていたんだ………前までは、名前は「モモ」だったよ!」
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持ち主(以下「持」)「モモ〜!ただいま〜!」
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ま「でも、友達が出来てからお出かけばっかり」
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持「お出かけ行ってきま〜す!」
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ま「だから、食品、生活費、水道代とか以外は全部友達とのお出かけのお金になったんだよ」
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持「モモ、今友達と話してるから無理ー」
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ま「それで僕のローンが払えなくなっちゃって、解約されて捨てられたんだ」
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モモ(旧名 以下「モ」)「解約完了」
持「やっと捨てられる……」
モ「2年6ヶ月13日間、本当に楽しかったよ!ありがとう!」
持「………………」
モ「10分以内にボタンを押せば、解約は取りやめとなります」
持「……ゲームでもしてよ……………あ、このアプリ消さなきゃ………………えーっとこれがこうで…………」
モ「4、3、2、1、残り9分、59、58、57……」
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七「ねえねえ、もしかして私、使える?」
ま「うーん…まあ、いいよ!」
七「やったー!」
ま「太陽光充電だから電気代は0、防水で、イヤホン使うと会話できるよ!」
七「じゃあ、なんでさっきはイヤホンなしでも会話できたの?」
ま「イヤホンなしのモードを使ったんだよ、ほらイヤホン」
七「じゃ、つけさせてもらうね………」
弍水(以下「弐」)「おい!」
七・ま「!?」
弐「お前!勝手にそっちへ行くな!」
七(ば、ばれた!)
七幸は、ロボットをポケットにしまった。
参「弍水、七幸を見つけるとはお手柄だな!」
弐「へへっ、サンキュー!」
参「七幸!帰ってこい!」
七「………………!!」
七幸はただひたすら、道を走って逃げた。
空き家に隠れようとしている。
参「弍水!」
弐「おう!」
参雷は無線通信機を取り出した。
参「あー、あー、マイクテス、マイクテス、聞こえるか?ガキが第二の世界の隠れ家へ逃げた、ワープでこっちへ来い」
壱・肆・伍・陸「……はい…………………………………………」
七幸は、空き家の窓から外を見ている。
弍水と参雷は、ワープの出入り口にあるはしごを登っていった。
シュッ
七「え?」
七幸の後ろには、あの6人が立っていた。
参「逃げても無駄だ!あっちへ行ってもこっちへ行ってもお前は仕事と家事だ!」
弍「働け働け!!」
参「じゃないと本当に殺すぞ!」
七幸は勇気を振り絞って、言い返した。
七「…………なんで私がリーダーを殺したと言うんですか!」
参「…………ふん!話してやろう!お前の母は、零長様を車で轢いたんだ!」
七「それは母ではありません!」
参「ふん!写真だってあるぞ!」
参雷の持っている写真に写っている人は、七幸にも自分の母に見えた。
しかし、母にしてはおかしいところがあった。
七「でも…!」
参「まだ口答えする気か!証拠はもうあるんだぞ!」
七「母には双子がいます!」
参「似てない双子だっているんだぞ!」
七「一卵性双生児なんです!」
参「だから何だ!俺は区別できるんだぞ!」
七「………はぁ、無駄か……………………」
参「分かったか!家事と仕事をしろ!ガキ!」
弍「こういうのはどうだ?1週間以内にお前の母を殺せ!」
参「弍水、それ良いじゃないか!」
弍「明日やろう!」
参「ようし!現実世界に戻るぞ!ガキ以外はもう寝ろ!」
翌日。
連れ去る時に使った車に乗って、七幸の家に行った。
そして、参雷は家のチャイムを押した。
ピンポーン
七幸の母(以下「母」)「はーい」
参雷は、無理やり七幸の母を車に乗せた。
七幸は、ガムテープで口を塞がれているので声を出せない。
母「七幸ー!!」
七(お母さん………!)
七幸の母は、運転している弍水以外のメンバーに結束された。
七幸を連れ去った時の様に、結束バンドで手首と足首、ロープを体に巻きつけて、ガムテープで口を塞いだ。
七幸の母は、自分の娘がいることに気づかない。
そのまま、あの海へ行った。
弍水と三雷は、他4人が立てた大きな柱に七幸の母を固定した。
そして七幸は、ナイフを持たされた。
参「コイツを殺せ」
参雷は、七幸の耳元でささやいた。
七幸はナイフを持って、自分の母に少しずつ近づいた。
参「さあ、刺せ!」
しかし。
七幸は母を刺さず、ロープと結束バンドだけを切った。
そして母の手を握って、走って逃げた。
参「裏切り者ー!帰ってこーい!」
弍「………車で追いかけるぞ!」
七「オラアァァァァァァァァ!」
母「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!」
ブオォォォォォォォォォ!
七「車で追いかけてくるー!」
母「ドラアァァァァァァァ!」
参「な………なんだコイツら、クソ速いぞ!」
弍「火事場の馬鹿力か………!!」
参「スマホ……?歩きスマホってか?コイツ、自分が損する事分かってねぇなぁww」
弍「これやべぇぞ………」
参「何が?」
母「もしもし!警察ですか!?」
参「あーーーー!そういう事かーーーーーーーー!」
母「私の娘を連れ去った人がいます!」
参「逆方向へ逃げるぞ!」
ウーーウーーウーーウーー
参「もうこうなったら…」
弍「警察を殺すぞ!」
2人は警察を殺そうとした。
しかし、運動神経抜群な警察たちによって、6人は逮捕された。
壱(私何もしてないのに……)
弍「……俺はやってない!」
参「クソがーー!お前もやったろ!」
肆(来世では罪無く生きる)
伍「…………………」
陸「壱火………」
七「性格悪い男2人しか悪くないのに…………みんな逮捕………………」
母「とりあえず家へ帰るよ!」
七「うん!」
七幸とその母は、結局走って家へ帰った。
(原文:あめじすと)
15歳の中学生が思い出の場所で知らない集団「〇〇したな」と言われた後、拘束され奴隷にされる。連れていかれた所から、何とか脱出しようと試みた。逃げ出せるところを探していたら、通路を見つけ、そこを進んでいくと異世界にたどり着いてしまった。やっと逃げ出せたと喜んだ主人公。がしかし!そこでもまた「〇〇したな」と何故か身に覚えがないことを言われ、奴隷にされる。さあ、主人公は奴隷から解放されるのか!そして、元の世界に戻ることができるのか!