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4話〜最初の犠牲者と禁断の部屋〜
ピーンポーンパーンポーン♪
赤い人が···ザザッ···
ザーッ···
ブツッ···
気をつけ···ガザッ···
ザザッ···が···死···ザーッ···
ブツッ···
―???視点―
???「からくる···これ、ヤバいな···。」
私は、隣で見ていたからくるに向かって言った。
当の本人は、全く気にせず鑑賞しているが。
···流石に鬼畜モードにし過ぎたかな。
でも、あの人達強いし、私もこういうの大好きだからいっか。
···おや。
そろそろ《《時間》》かな。
---
―魔狼視点―
奏者『翡翠ちゃん!?···まさか···!!』
翡翠の絶叫が響いた直後、ボカロファンの焦った声が聞こえた。
`ピーンポーンパーンポーン♪`
校内アナウンスがなる。
『`赤い人`が、図書室に、現れました。気を付けて下さい。』
図書室!?
ここ、向かい側にある2年生の教室···だよね。
マズいから一旦離れ···
『ガタガタッ···バタンッ···』
離れようとした瞬間、無線から雑音が聞こえてきた。
胡橙音『ひ···翡翠!?大丈夫!?』
胡橙音が翡翠の名前を呼ぶが、応答は無い。
代わりに、うめき声や、何かが折れた様な、嫌な音が鳴っている。
隠れて目の前にある図書室の方を見ていると、本棚の間を誰かが通った気がした。
あれってもしかして···。
魔狼「__今ね、図書室の前の教室にいるんだけど、どうすりゃいい。__」
堕天使『それ···ヤバくないか?』
ルシファーが驚き心配するが、返事したら見つかりそうで怖い。
でも、ここにいても見つかりそう。
···逃げるしかないかぁ···。
めちゃくちゃに怖いけど、こっそり、でも急いで逃げ出した。
図書室の方をチラリと見る。
魔狼「うわぁ血飛沫。」
欠番『は?』
藍生『ゑ。』
私の呟きを聞いた2人の変な声が聞こえた。
···ナル普通に話せる様になったらなんかオモロイな。
···てか、あんな毒舌だったっけ。
`ピーンポーンパーンポーン♪`
黎夜『次のアナウンス早···。』
再び放送がかかる。
『`赤い人`が、第2体育館に、現れました。気を付けて下さい。』
第2体育館···。
ここからまだ距離はあるな···。
奏者『私図書室行きます!』
ボカロファンが宣言する。
火炎竜『気を付けてね!!』
ガルーダが心配した途端···。
奏者『どわぎゃあぁぁぁ!?』
無線と···近くの中央階段から、叫び声が響いた。
それと同時にガタガタと、激しい音が鳴る。
···え···?死···
奏者「痛いぃぃ···。ってクレン!助ける気持ちは無いの!?」
ボカロファンはうめきながら、這う様にしてこっちに上がってきた。
···え?何してんの···?
奏者「もう!`赤い人`の血のせいで足滑らせて階段から落ちた!!足首捻った!!もう!!傷害罪で訴えるよ!?」
なんだ、その程度か。
死んでなくてよかった。
賭博師『···この馬鹿···。』
詐欺師『うん、ライちょっとそれ言い過ぎ。』
堕天使『···ていうか、`赤い人`を傷害罪で訴えられるのか···?』
欠番『まず法律通用しないでしょ。』
···八色星団のみんなは一生懸命カラダ探ししてるっていうのに、私達魔宴は茶番劇ばかり···。
ホント余裕なメンバーだな。
魔狼「さっき図書室の前通ったけど、血の匂いがした。···気を付けて。」
奏者「分かってるよ。じゃ、任せたよ。」
ボカロファンと別れ、私は1階へと向かった。
---
―奏者視点―
クレンと別れ、図書室に向かう。
中に入ると、クレンが言った通り、血の匂いが濃くなった。
ここで···翡翠ちゃんが···。
うぇぇ···こんなんじゃいくらグロ耐性ついてても精神参っちゃうよ。
奏者「なんでこんな事しなきゃ···。」
ビシャッ···
え?今何か踏んで···。
足元を見ると、そこには血溜まりが広がっていた。
まさか。
角を曲がると、翡翠ちゃんが倒れていた。
奏者「嘘···。」
彼女は、胴を両断された挙げ句、腕や足を、螺旋状に引き千切られていた。
そしてその横に
―"カラダ"があった―。
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―蒼羅視点―
(危険な)1階でカラダを探していると、奏者さんから無線がきた。
奏者『図書室でカラダを見つけた。それと、···。』
一呼吸置いて続ける。
奏者『翡翠の死体も···あった···。』
黄詠璃『そんな···ッ!!』
`赤い人`の···最初の犠牲者が···。
奏者『こんな事を言うのもアレだけど···。今は残酷な位、冷静に行動した方がいいんだと思う。』
奏者さんの言いたい事が分かった気がした。
奏者『···今言っておく。このゲームで、殆どのメンバーが`赤い人`に殺される。そして、私も最後まで生き残れない。···これは、変えられない未来なんだ。』
彼女が次に告げた事は、酷く衝撃的だった。
殆どが生き残れない?
奏者さんも殺される?
魔狼『···未来眼か。』
クレンさんが呟いた。
奏者『···そう。私、たまに、勝手に未来見えるんだ。変えられない未来が。』
奏者さんが寂しそうに言う。
未来が見えるのは便利かも知れないけど、ここまで残酷な未来も勝手に見えてしまうのは不便だな、た思った。
作者『···あのさ、少し気になったけど···。』
重々しい空気の中、狐さんが口を開いた。
作者『この放送ってさ、誰が放送してんの?』
確かに···。
`赤い人`を知らせる放送がかかってるから、放送室の中に誰かいるかも知れない。
赤斗『でも誰が行く···?』
作者『私が行く。』
奏者『はぁ!?あ···危ないよ!?』
奏者さんが驚き、大きな声を出した。
作者『私まだそんな役に立ってないし。気を付けるから。』
奏者『分かった···本当、注意してね。···《《咲夜》》。』
奏者さんは、狐さんの《《人間の頃の名前》》を呼んだ。
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―作者視点―
私が放送室に行くと言ったのはいいものの、何処に何があるのかまだ理解していない。
大抵は2階辺りにあると思うけど。
そう思って2階に続く階段を上ると。
その先に"放送中"のランプが光る部屋があった。
···意外とすぐに見つかった···。
一応無線で連絡しておこう。
作者「あ、もしもし!放送室あったよ!」
賭博師『早ッ。』
ライが驚く。
そりゃそうだよね、あの会話してから1分も経ってないし()
放送室は2階の1番端に位置していて、見るからに不気味だった。
···`赤い人`が今来たら逃げれなさそう。
恐る恐るドアノブに手をかけて、開けた。
その瞬間。
`ピーンポーンパーンポーン♪`
『`赤い人`が―`花杜咲夜さんの背後に現れました。振り返って、確認して下さい。`』
一同「「―!?」」
嘘、なんで···なんで私の人間の時の名前知って···
バタンッ
放送室のドアが音を立てて閉まる。
一瞬だけ、本当に一瞬だけ中が見えた。
どういう事?
中に···翡翠さんみたいな人、いなかった?
何これ···?
ヒタ···ヒタ···
背後から足音が聞こえた。
作者「···ッ!!」
まさか···。
???「ねぇ。狐のおねーちゃん。」
呼ばれて、反射的に振り返った。
そこには、真っ赤に染まった長袖のワンピースを着て、人形を持った少女がいた。
`赤い人`「`みーつけた♪`」
これが···`赤い人`···。
に···逃げなきゃ···ッ!
考えるより先に、私は走り出していた。
後ろから`赤い人`が追ってくるのが分かる。
奏者『狐さん!!早く!!』
ボカロファンの叫びが響く。
作者「痛っ···!!」
`赤い人`に足を掴まれ、その場に倒れる。
嫌だ。まだ死にたくない。
その時、私の目の前に誰かが現れた。
顔を上げて見ると、そこにいたのは、ボロボロの服を身に纏い、全身包帯だらけの、子供だった。
マルーン色のボサボサの髪で、黒い口とダークターコイズの左目が、不気味なくらい光っている。
???「ねェ、狐ノおネーちャん。」
作者「な···何···。」
???「そんナにほーそーしつニ入りタいんだったラ、ボクを呼びナよ♪」
何この子···。
何を言っているのか、さっぱり分からなかった。
作者「かはっ···!?」
`赤い人`が、私の身体に爪を食い込ませ、そのまま引き裂いた。
傷口から大量の血が流れる。
私が`赤い人`に襲われている間、その子は笑っていた。
???「アハ···ハハハッ♪やっパり、面白ィや!」
`赤い人`が私の喉を掻き切って、意識が無くなる直前に見たのは、
後に____と名乗る、狂気の支配者の無邪気な笑顔だった―。
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―???視点―
???「からくる···はぁ。マジでやるとは思わんぜ···。」
薄暗い部屋で、私は呟いた。
今ので2人目。
これから嫌と言う程沢山の者が消えるだろう。
???「そろそろ次なので、行きますね。」
私達に協力しているソイツは一言だけ言い、部屋から出た。
???「あ···あの···このゲームは一体···。」
さっきまで黙っていた緑色の少女が口を開く。
???「そうだねぇ···。どこまで話したっけ。あぁそうだ。あそこまで話したんだった。さてさて。物語の続きを語ろうか。―《《翡翠ちゃん》》♪」
私がニヤリと笑うと、
彼女―《《翡翠》》は、一瞬不安そうな顔をして、「よろしくお願いします。」とだけ言った。
`ピーンポーンパーンポーン♪`
それとほぼ同時に《《アイツ》》が放送を流す。
中々、面白い物語だった。
???「`赤い人`が、___に、現れました。気を付けて下さい。」
さぁ、魔狼の宴に八色星団。
ここからが本番だ。
―誰が生き残るのかな♪