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泣いて、笑って、手を取りあう 2
今回の作品、代表作にできるかも
早速、レッスンを受けれることになった。受けている人はみんな中高生だった。みんな歌も、ダンスも上手かった。こんなんじゃ到底オーディションなんて受からないだろう、と思った。でも、まず私に先生は語りかけた。
「君、1回1人でパフォーマンスしてくれ。」
私は、一気にパニクった。こんな上手い人たちの前で踊れるわけないと思った。
でも、1度自分の身体を頼りにやってみた。どうせ先生に何か言われるだろうと思って踊った。これを見た先生はこう言った。
「君、アイドルになる素質があると思う。今すぐにでも、彼女たちと混じってレッスン受けれるよ。」
私はすごく嬉しかった。私には、そんな才能があったのか。私、本気でアイドルになれるかもしれない…!
そこから、他の人に混じってレッスンが始まった。よし、ここから色んな人と仲良くなる。そう思っていた。でも、ここで2つの壁にぶつかった。
1つ目は、レッスン時間だ。毎日、午後5時から夜10時まである。テスト期間だろうが、毎日。テスト勉強や宿題なんてやってられなくなる。もちろん部活も。だから、部活は辞めざるを得なくなった。ちなみに、学校には、誰1人として、私がアイドルを目指していることは知らない。いざ私が有名人になれば、みんなきっと驚いてくれるだろうと思ったからだ。きっとみんな応援してくれるだろうとも思った。でも、これはまだ序の口に過ぎない。
これは2つ目だが、私がレッスンを受け始めて、1週間くらい経った頃だった。休憩時間に、4人くらいのグループで、何か話していた。その中で、私はあることを耳にした。
「あの最近入ってきた、今田 ハルナって人、ちょっと私苦手かも。だって、あんな初心者がアイドルの素質あるなんて、こっちは毎日きつい思いしてきてんのにさ、なんであんな余裕な感じで入ってきてんの?だるいんだけど」
私は悔しかった。でも、今まで生きてきた中でちゃんと理解してるものがある。悪口を軽く言う人は、ろくな人にならないって。そんな奴の、話なんて聞いてやるかっつーの。私、周りよりも人一倍努力して、立派なアイドルになる。辛くても、耐え抜いてみせる。急に勇気が湧いた。
このレッスン教室では、定期的に発表会がある。ただし、今までのレッスンでの優秀者が発表会でセンターを飾ることができ、センターに選ばれた人は、レッスン教室を卒業し、有名オーディションを受ける権利が与えられる。
私がこの教室に入った1ヶ月後にその発表会はあった。この日は、そのセンターが発表される日であった。私は到底選ばれないと思っていた。
いよいよ発表される…。
「センターに選ばれたのは、今田 ハルナ、君だ。おめでとう。」
嘘…。この私が…。嬉しかった。すごく嬉しかった。
センターとしてしっかりできるように、本気で練習に今までよりも励むようになった。
次回はいよいよハルナの卒業発表会です!お楽しみに!