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闇夜の中で
ひよこ豆
これは作者が実際に夢で見た内容を基にした話です。
これはとある中3生2人の話。その夜も友達とつるんで、一日の締めくくりに2人で公園のすみっこで酒を飲んだ。この背徳感がたまらない。俺は酔いが回ってきたときのふわふわする感じが好きだ。友達の方を見ると、黙ったまま飲んでいる。こいつとはよくつるむんだが、何を考えているのかよく分からないことがある。まあいい、楽しく飲めればそれで満足だ。酔った体に夜風が気持ちいい。なんてことない夜だが俺はこの時間が好きだ。
2人とも飲み終えてそろそろ帰ろうかと立ち上がった時、突然背中の下の方に激痛が走った。続いて熱さを感じる。「いってぇ……」うめきながら振り返ったとき、刺さっていたものが引き抜かれる。
信じられないが友達の手には包丁が握られていた。べったりと付いた血がぽたぽたと垂れている。傷口からも血が流れ続けている。さっきまでの心地よい酔いは消え去っていた。痛みに襲われる中、どうしてが頭の中をぐるぐる回る。立っていることもままならなくなり倒れ込んだ。
「お前…」こいつは何も言わなかった。包丁を持ったまま冷たい目で俺を見下ろしている。やがて俺の腕を掴み、やぶの中へ引きずっていった。
俺は力のかぎり叫んだ。「いやだ、いやだ、助けてくれ」
誰も来なかった。誰かいないのかと必死に周りを見回す。やぶの隙間からかろうじて、公園の向こうから呆然とこちらを見ている大人たちが見えた。しかし誰も動こうとしない。見ているだけだった。
ちくしょう、見ているだけかよ。もうすぐ足の先までやぶに引きずり込まれる。俺の声なんて誰も聞いちゃいないんだ。どうせ誰にも届かないんだ。こいつがいつの間に殺意を抱いていたのかも分からない。ちくしょう、ちくしょう…。
無念と無力感と怒りがないまぜになったまま、彼は闇の中へと消えていった。
夢から覚めてしまったので、この後主人公がどうなったのかは分かりません。お酒は20になってから。