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にゃんこ+ドラゴン!! ードンッと出会う- (霊泉)
今まで、ずっと退屈で変わらない日々を過ごしてきた、特殊猫の出会い!!
私は、いつものように路地裏を歩いていた。
今日も、私の日常には何の変化も無い。
あとする事ないな。
しばらく歩いていると、どこからかゴオゴオ?
そういう音が聞こえる。
炎みたいな。
私は、自分から生えた三角の猫耳を音がする方に傾ける。
と同時に、人の気配を探る。
一人?
どうやら一人しかいないみたい。
一人で燃やしているのなら、それは事件を起こそうとしているのかもしれない。
私は念の為、スルスルと体を人型にしてから注意しに行くことにする。
音が聞こえる方は、高層ビル二件の間。
バレないように?
それとも、沢山の人を巻き込むため?
それは分からない。
そして、私はそこに辿り着く。
一瞬、私は私の耳を疑った。
何故なら、そこには何も無かったから。
が、すぐに理解する。
パッと見ただけじゃ分からない。
音は奥の方から聞こえる。
私はさらに奥へと進む。
ごみが多くなっていく。
もう人の姿なんて見えない。
犯罪者も、ここまで来れば見つからないと思うだろう。
という所で、一匹のドラゴンが業火を吹いている。
不意に私の体から、汗が噴き出す。
「あっつ…っ」
私の体が溶けそうなほどの炎を吹いている、ドラゴンは、猫のような可愛い見た目をしていて、コウモリのような羽は、大きめだ。
そのドラゴンはこちらに気付いたのか、私と同じように、みるみる体を変形させ、人型になる。
それは、暗い赤紫の髪で、暗めの黄緑色の眼の少年の姿をしている。
少年の姿をしたドラゴンは、もうその尋常じゃない程に熱い炎を吹くのをやめていた。
そして、その少年が持っていたものは、何も分からない黒焦げの物になっている。
今、私はドラゴンと目が合っている。
ふいっと私は目を逸らした。
私以外にこんな生き物がいるなんて…!!
目を逸らしながら、私は感心していた。
そしてもう一度ドラゴンを見る。
私は話しかけることにした。
「君って…ドラゴン?」
すると、そのドラゴンは
「そう呼ばれてるらしいね、俺」
と、笑う。
私が、今までの人生で初めて感心した、この日。