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ないものねだり
昨日の「ないものねだり」をリメイクした話だよ!どうかな?
うちは貧乏だった。
だけど、ちゃんとご飯は三食食べれたし、お風呂も入れる。
それなりの生活はできる。
だけど、僕はバカだった。
毎日、クラスメイトの持ち物に憧れて、ねだっていた。ある日、母と喧嘩した。
僕は、クラスメイトの朔久のキラキラシャーペンが欲しかった。
そのシャーペンは1本2000円。
本来、シャーペンは僕の通う小学校に持ってきては行けなかった。
「お母さん、買ってよ!買って買って買ってってば!」
「由縁、ごめんね。鉛筆で我慢して。あと、学校にシャーペンは持っていっちゃいけないでしょう?ルールを守れてる由縁は偉いわよ。」
「シャーペンなんて、みんな持ってるんだよ!僕だけないなんて、いじめられちゃうよ!母さんは僕がいじめられても良いんだね?サイテー。」
「ごめんね。でも、ルールは守らないとダメなのよ。もちろん、由縁は大切な息子よ。今は、由縁の将来のために、お金を頑張って貯めてるから、我慢してね。ごめんね。由縁。」
「そんなのズルいだろ!謝るくらいなら働いてこいよ!うちの生活がキツいのも、全部母さんのせいだろ!母さんが頑張らないから!」
「…っ。そんな、ごめんね。」
母は泣き崩れた。カサカサに荒れた手でぼろぼろの財布を見つめながら。
「泣くなよ。キラキラシャーペンがあったら、代償なんていくらでもいいのになぁー。あーぁ。親ガチャ外れか…。」
次の日、学校に連絡があった。
「由縁さんのお母さんがたった今、事故で救急搬送されたそうです。」
「え?母さんが?」
由縁が急いで病院に向かうと、廊下で待っていた医者の口から一番に出てきたのは、「ごめんなさい。」という、昨日の母と、まったく同じ言葉だった。
「最善は尽くしました。だけど、トラックの直撃を受けていて、もう、お母様は…っ。」
「そんな。嘘。嘘だ。だって、今日の朝は元気だったんだよ!?」
「残念ですが……お母様、最期までこれを握りしめておられました」
看護師が差し出したトレイの上にあったのは、あのキラキラシャーペンだった。プラスチックのボディには、母の指の形に合わせて、べっとりと黒ずんだ赤がこびりついている。
あの時、僕がワガママ言ったから。
代償なんていくらでもいいなんて、言ったから。
母は、最後まで僕の願いを叶えようとしてくれたんだ。
「あ、あ、あぁ……っ!」
声にならない悲鳴が口から漏れる。
僕の手には、血で汚れた新品のキラキラシャーペン。
そして、死ぬまで僕を|蝕《むしば》み続ける、底なしの後悔だけが残された。