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空色の花 1話
鳥に変身する人々”ウッチェル” 権力の象徴とされ、王や貴族に仕えてきた
主に情報収集に利用され、城での暮らしを強いられていた
少女 パーラルもウィッチェルの一人だった
ここはキューア王国
女王 アヴィリアがこの国を治め、貴族と共に豪華な暮らしをしていた。
その娘、王女 エラは魔法の才能があり、人々からは魔女と恐れられていた。
エラが扉を三回叩く
「入れ」
女王が言う
扉を開けるとそこには王座に座った女王がいた
「なぜ呼び出されたか分かるか?」
女王は厳しい声で言う するとエラはこう答える
「…私が城から抜け出したからですね」
「何故抜け出した 答えろ」
「…外の世界を見てみたかったからです」
「お前はここにいることが使命なのだ 抜け出してはならない!」
女王が怒鳴り声を上げる
「でもお母様!…」
「少々教育が必要だな」
女王が杖を二回鳴らすと、騎士が現れる
「部屋に閉じ込めておけ」
二人の騎士がエラを連れて行く
「ちょっと やめて!」
「それから 私のことは女王様と呼べ」
「…はい」
エラが出ていった後、窓際に一匹のカラスが現れる それを知らせるかのようにカラスが鳴く
「報告しろ」
女王が言うと、カラスは少女に変わる
「隣国は警戒態勢に入った模様です 王は武器の生産を増やしています また、隣国のウィッチェルは病死した模様です」
「そうか」
「…先程、王女様の泣き声が聞こえてきたのですが」
「お前には関係のないことだ」
「…では 失礼します」
少女はカラスに変わると、飛び立って行った
「病死…か」
女王は不気味に笑うと、どこかへ行ってしまった
「うぅ…なんで…」
エラは座り込んで泣いていると、窓際にカラスが現れる
「…カラス?」
エラが不思議そうに見つめると、カラスが少女に変わる
「…貴方、ウィッチェルですか…?」
すると、少女が答える
「そう 珍しいでしょ?」
「てっきり伝説だと思っておりました…」
「まぁ 無理もないよ 狩り尽くされちゃったから」
「…どういう事ですか?」
「私達ウィッチェルは、王や貴族の情報屋として利用されるの 貴方もいずれ分かるわ」
「…」
エラは黙り込む
「貴方 さっき泣いてたけどどうしたの?」
「…お母様に お前はここにいることが使命 と言われて」
「無理もないよ 女王は貴方を支配したいようだからね」
「…そんな事言わないでください!」
エラが大きな声を出す
「…貴方 お名前は…?」
「私 パーラル」
「パーラル 私の翼となってください」
「嫌だよ」
「これは命令です」
パーラルは大きなため息をつく
「では早速 街の様子を見てきてくれませんか?」
「…わかりましたよ お姫様」