公開中
守護天使のツバサ
お題ガチャより
体調不良で入院していたインク。朝起きたら天使の羽が生えていた。意識がぼんやりして、焦点が定まらない。「ボクが…天使…?そうか、ボクはここに居るべきじゃなかったんだ…」お見舞いに来たエラーがギリギリの所で羽を引きちぎった。正しい判断のはずだが、苦しむインクの姿を見て楽にしてやった方が良かったんじゃないかと思い悩むエラー。
を使って短いですが書きました。
「……ぅ……げほっ……」
自分以外誰もいないDoodle sphereに咳の音が響く。ここ1週間は他のAUに出掛けていない。インクにとってそんなことは有り得ないようなことだが、理由はインクを飲んだら直ぐに咳き込んで吐いてしまうからであった。感情が死んだソウルレスの状態でAUを回る訳にはいかないとずっと引きこもっているのだ。身体に異常な程の怠さを感じ、インクは目を閉じた。
次に目を覚まし、インクが身体を起こすと背中が重いことに気付いた。目の焦点が合わないが、背中を伺うと天使のような羽が生えていた。
「……ボク…が天使……?」
誰かがこっちへ向かってきているが、身体にかけられたブランケットを引き剥がし構わず立ち上がる。
「……そうか、ボクはここにいるべきじゃないんだ」
インクは自身がAUの“守護天使”だと信じて疑わず、ポータルを開こうとした。
「AUの見回りに行かなきゃね」
ポータルに入るインクの手が、体が、青い糸に引き留められた。
「待テ、インク!!!!」
大声を出してインクを止めたのはエラーだった。
「なに?エラー」
インクは色のない瞳でエラーを見据え、ポータルに入ろうとする。
「このまんまじャ…お前が壊れちまうだロ」
エラーは顔を顰め、インクを引き留める。
「…クソインク、こッチ来い」
「なんで?まぁいいけど……」
インクがエラーの方へ一歩踏み出した途端、インクの手足が青い糸で縛り付けられる。
「エラー…?何する気なの…!?」
インクの武器である筆も糸でインクの元を離れる
「痛いかもしれないケど…我慢シろよ…」
エラーはインクの背後に回り、その白い羽を掴む。その刹那、何かが砕けるような音とインクの呻き声が響いた。パラパラと落ちる羽とちぎられたそれがエラーの手から落ちる。
「…いだ…いよ……エ…ラー……」
痛みで意識が落ちたインクに、“また”エラーはブランケットをかける。
「…オ前を壊すのは俺だけがイいし………」
でも楽にしてやった方がよかったかな、と純白の羽を見る。
「もウ、俺なんカに正しイ判断なンて出来っこないよナ……」
エラーは後ろ髪を引かれる思いでポータルを開き、Doodle sphereを後にした。
背中の痛みで目が覚めると、身体にブランケットがかかっていた。咳が出なくなっていたのに気付き、インクを手に取り口に含む。何かあった気がするけど、思い出せない。
また忘れちゃったんだろうな、と周りを伺うと、何色にも染まっていない羽根が一つ、落ちていた。