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#2 乱歩、危機一髪
「文豪ストレイドッグスわん!」の内容です。
連載中である「英国出身の迷ヰ犬」の番外編になります。
オリキャラ注意。
英国出身の迷ヰ犬
https://tanpen.net/novel/series/dbc4b7a3-d5a6-4927-bd3f-8e75383d3519/
乱歩side
僕の名前は江戸川乱歩。
異能名は『超推理』で、眼鏡さえあれば何でも推理できる。
今日も殺人現場に呼ばれた。
そして、いつも通り『超推理』が大活躍する──筈だった。
「僕の眼鏡がない……」
あれ、社長に貰ったやつがない。
何で?
「乱歩さん! 代わりの眼鏡を見付けてきました!」
「ワロタ」
そう敦君が持ってきたのは鼻眼鏡。
えぇ、とは思いながらもつけてみる。
すると、皆はかっこいいと言った。
「こんなのかっこ悪いよ!」
次に敦君が持ってきたのは瓶底眼鏡。
「ぐるぐる眼鏡探偵だ!」
「強そう!」
「ワロタ」
ルイス、さっきからワロタしか言ってないんだけど!?
僕の超推理がこんなので使えるわけがない。
なのに周りの人達は『新しい眼鏡の探偵』とか言って胴上げしてくる。
「ぼ、僕は社長のくれた眼鏡じゃなきゃ嫌だー!」
「という悪夢を見た!」
「……そうか」
うぅ、社長から貰った眼鏡は失くさないようにしよう。
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ルイスside
それは、ある日の探偵社での出来事。
「うわっ」
「如何したんですか?」
どうやら、ピヨこ饅頭の頭だけ食べられていたらしい。
普通に怖いわ。
その時、乱歩が現れた。
タイミングが良すぎるな。
敦君が乱歩にピヨこ饅頭の箱を見せると、面白い返事が返ってきた。
「食べたの僕だけど?」
「探偵が犯人だった!」
「正直、辛いです。これ以上は勘弁して下さい……」
ん、何事だ。
「もう限界なんです! 無理です!」
「飯はまだだ! どうしてもお前の力が必要なんだ!」
あぁ、いつもの光景か。
空腹でないと異能の使えない賢治君。
可哀想だけど、仕事しないとだから仕方ない。
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与謝野side
|妾《アタシ》が何時も治すと思ったら大間違いだ。
「アンタはこのメスの餌食になるんだ!」
まな板の上には──魚。
仕事終わりの賢治の為に作っとくよう、国木田に頼まれてね。
「与謝野|医師《せんせい》の魚料理おいしいです」
「そうかい」
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No side
「何時も治療してもらってばかりで……済みません」
「なァに、|妾《アタシ》なんて心の傷は治せないちっぽけな人間さ。後はお前次第だ、ボウズ……」
「|医師《せんせい》にハードボイルドもの貸したのは誰だー!」
「あ、僕だよ」
「ルイスさん!?」
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ルイスside
それは、ある日の探偵社での出来事(二回目)。
与謝野さんと鏡花ちゃんが話していた。
「アンタ、暗くなるとちっとも用を足しに行かないね。大丈夫かい?」
「夜は(御手洗みたいな個室で)一人になると(襲撃や暗殺で狙われやすくて経験上)怖いから……」
あ、これ誤解生まれるやつだ。
「夜の御手洗が怖いんだって」
「カワイイとこあるんですね」
「ぼ、僕がついていってあげるよ!」
ほら、当たった。
てか敦君がお兄ちゃんみたいなこと言ってる。
「ちょ、ちょっと! ちがっ……!」
「襲撃で狙われやすいよね、個室」
そう言うと、全員が鏡花ちゃんが怖いと思う理由が分かったらしい。
「ルイスさんも分かるの?」
「まぁ、君より十年ぐらい長く生きてるからね」
扉を開くと、そこにはゲラゲラと笑う太宰君の姿があった。
そして、謎の四角と化した敦君。
バタン、と扉を閉じて深呼吸をする。
「ルイスさん、どうかしたの?」
「あー、ちょっと中に変なのがいてね」
ガチャ、と扉を開けた鏡花ちゃん。
「ルイスさん! この格好は──って鏡花ちゃん!?」
鏡花ちゃんは静かに携帯電話を手に取った。
「待って! 夜叉白雪はやめて!」
「違う……これは通報……不審者を警察に……」
「通報!?」
警戒しまくってる鏡花ちゃん、可愛いな。
それで、と私は太宰君の元へ行く。
「敦君の格好は何なの?」
「鏡花ちゃんを歓迎する為の豆腐のコスプレ」
だから白い四角なのか。