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EP1
楠見)梶くんおはよう!
梶)…はよ
まだ眠そうな顔をした梶の肩に楠見の手のひらがぽん、と置かれる。それでも眠気が覚めない梶は、ぽわぽわしながら席へと向かった。
そんな梶の眠気も、とある校内放送で強制的に吹き飛んだ。
梅宮)『**みんなー!!おっはよー!!**』
耳をつんざく大ボリュームの梅宮の声が、校内中に響く。すぐその後に、柊が注意をいれる声も聞こえた。
柊)『ちょ、バカ!うるせぇだろ』
多聞衆2年の教室では、クラスメイト達がお互いに顔を見合わせ合う。
クラスメイト)またかよ梅宮さん。
その声に怒りはなく、攻め立てる者も誰一人いない。これは、梅宮が信頼されていると言う証拠の一つである。
ようやく眠気が吹き飛んだ梶は、口の違和感が飴がないことだと気付く。ポケットから桃色のチュッパチャプスを取り出し、素早く破いて見せ、口の中へ放り込んだ。
梅宮の放送は続く。
梅宮)『えーっとなんだっけ?』
梅宮)『あ。そうそう!今年も《《アレ》》やるからよろしくな!』
他人事のように軽く終わらせた梅宮は、早々と放送の電源を切ってしまった。
榎本)アるぇか。今年は新一年もいるぅしなぁ
「《《アレ》》」とは。毎年雨季に開かれる、多聞衆、持国衆、広目衆、そして増長衆が全員参加での衆関係なく、誰が1番強いかを決めるトーナメント戦。そして勝ち進んだチームの代表が、梅宮とタイマンすることができる。
ルールは、相手の背中を2回地面につけた方が勝ちという、簡単なルール。これは、大怪我を負わせない方法だ。
最短で開始1.5秒で勝負がついたこともあり、最長で30分以上もやっていたこともあるらしい。
クラスメイト)教えに行くのは?
楠見)『あり!』
楠見に続き、続々と賛成の声が上がる。
榎本)じゃあ、もう行くってことでいいか?
それぞれが自分の席を離れ、廊下に出る。会話を全く聞いていなかった梶が、教室から出て行くクラスメイト達を見て、訳がわからないという顔をする。
梶)どこ行くんだよ
楠見)『今から一年生に《《アレ》》のこと教えに行くんだって!』
梶)あぁ、《《アレ》》か。
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榎本)一ねぇん!いるぅかぁ?
楡井)え、榎本さん!?
楡井)さっきの放送って何なんですか?
榎本)そるぇを説明しに来た
黒板の前に立ち、榎本は説明を始める。
榎本)梅宮さんが言ってた「あるぇ」は…
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--- 〜説明後〜 ---
蘇芳)(すっごい巻き舌で聞き取りにくいかった〜)
桜)つまりてっぺんは誰かってのを決めるわけか?
榎本)簡単に言えばな。
榎本)梶は去年準々決勝で柊さんと当たって、「めっそうもない」とか言ってる間にやるぁるぇてたよなぁ。ニヤニヤ
榎本がニヤニヤしながら梶をちらりと見る。
梶)うるせっ
照れながら梶はフードで顔を隠す。
杏西)ってことはさ、梶さん去年は準々決勝まで行ったってことでしょ?
榎本)あぁ。毎回最終的には柊さんと梅宮さんになるんだがな。
楠見)『椿野さんも決勝に行くこと多いんだけど…壁ドンはまだ早いとかで』
桜)ブフッ
桜が飲んでいた炭酸水を噴き出す。
蘇芳)あー、桜くんの恋愛パラメーターが
クラスメイト)梶と一緒じゃん
梶)一緒にすんじゃねぇ!
梶の頬が赤くなっていく。
榎本)で、対戦相手決めを今日の昼休みに屋上でやる。
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--- 昼休み ---
梅宮)おう!集まったな。
柊)トーナメント戦の相手は、くじ引きで決めていく。ちなみに多聞衆など、衆は関係ないからな。
一人一人がくじを引き、同じ番号だった人と組む。
終わるとこきも。吐きそうなんで早めに退散💨