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「海が綺麗ですね」
私はお風呂から上がってすぐに、ベットにダイブし、携帯を見た。
「…!!」
今日、連絡先を交換したばかりの高瀬蓮から通知が来ていた。
〈起きてる?〉
《うん!どうしたの?》
〈明日の数学って、何が必要かわかる?〉
《多分、いつも通りだと思うよ》
〈ありがとう〉
私は、高瀬くんのことが少し前から気になっていた。今まで、高瀬くんのことをあまり知らなかった。でも、ある日部活に励んでいる高瀬くんを見てドキドキした。友達の鈴音に言ったら「それは、恋だね☆」と言われた。高瀬くんとの今のやり取りは、短い会話だった。顔も見ていなかった。でも、ドキドキする。
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それからも進展はなく、勉強などについての短いメッセージしかやり取りがない。
そんなある日、高瀬くんから美しい海の写真が送られてきた。
〈海が綺麗ですね〉
…どうして敬語なんだろう?
そう思った。嫌いになってしまったのだろうか。
鈴音に相談すると、「こっち来て。」と人のいないところに連れて行かれた。
「…?」
「『海が綺麗ですね』って言われたなら、『泳いでみましょうか』って答えな!」
「なんで?」
「いいから、家に帰ったらすぐ言いなよ!」
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《返事遅れてごめん!泳いでみましょうか》
〈じゃあ、明日の昼休み、屋上に来て〉
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「ってなったんだけど、どうしたらいいかな?」
「自分で決めなよ〜。でも、行くことをおすすめするよ。」
「分かった。ありがと!鈴音!」
走っていく親友の背中を見ながら、鈴音はぼそっと呟いた。
「…蓮も、ベタなところに呼び出すなぁ、、、」
そして、今頃高瀬の告白を受けているであろう親友にメッセージを送る。
[『海が綺麗ですね』って、『あなたに溺れています』って意味なんだって]