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第4話 依頼 ②
「くっそ上は何考えてんだ」
その後の言葉にエメルはゾッとした。
「この日…私はいないのに。」
優里は一応新人である。
入ってから、三年?くらいだ。エメル達にとってまだひよこくらいなのに。
一年のタクと、三年の優里。が、大統領の護衛?
ぼーぜんとしていると後ろから声が聞こえてきた。
「なんとかなると思うよ、エメル」
「ちょ…レイルか…。」
少し眉間に皺を寄せたエメルを、不思議そうにレイルは見つめる。
「それ、僕が行こうか?」
「ふぇ?」
先輩3人組中2人、混乱しながらレイルを見つめた。
沈黙の中で最初に喋ったのは舞だった。
「ま、できるか。」
「やったあ(?)」
3日後
「ミッション開始!」
大統領の姿が見えると、レイルが小さな声で言った。
レイル、優里、タクが乗っている車は、高級車の中の高級車。ポレシェである。
「夢、かなったあー」
タクはそう言って嬉しそうに笑った。
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「ですから,一度停戦を申し入れます。」
「何を言ってるんだ!」
話し合いはぼっぱつ。
停戦を申し出てるのが今勝ち気味な東の大統領。頭に血が上ってる方が、今優里たちの使える東の大統領だ。
優里はあくびを抑え込んで、待機の姿勢で待つ。
(暇だなあ)
そんなことを考えている時だった。
ドゴオンっ
ものすごい音が地下から鳴り響く。
「何だこれは!」
大統領たちはそれぞれ安全な場所に移されていった。
優里たちは地下に降りた。その先にいたのは交戦中の舞…とその後ろで倒れるエメル。
「え!?」
やがて煙の中から見えてきたのは、金髪とそれに映える真っ赤な目だった。
「もう来ちゃったか。私、西の軍部隊!仲良くしようね、東の殺し屋さん。」
優里は絶句する。
5年ほど経つだろうか。
久しぶりなのによくわかる。
「…柘榴?」
小さな声は少女には聞こえないらしく、戦闘の音でかき消されてしまった。
第一話に出てきます、柘榴(ざくろ)