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物心ついたときから魔法少女だった話。1
新シリーズです!今回は短編集ではなく、長編を書いてみました!楽しんでください♡
私は、物心ついたときから魔法少女だった。そのせいで、親に捨てられたんだけど。捨て猫みたいに段ボール箱に入れられて。その時拾ってくれたのが今の私のお姉ちゃん。もちろん血はつながっていない。でも、お姉ちゃんも親がいない。今、私は中学1年生。お姉ちゃんは高校1年生。お姉ちゃんが一生懸命バイトしてくれなかったら私達はとっくに死んでいた。お姉ちゃんの両親もいい人だった。私が魔法を使えることを知っても「素敵だねぇ」と褒めてくれた。去年死んじゃったけど。褒めてもらった魔法にも欠点はある。一日に決まった数しか使えない。ゲームで言うMP。私のMPが10くらいだとすると使える魔法はこんな感じ。
テレポート (移動魔法)消費MP4
ヒール (回復魔法)消費MP7
ディストラクション (破壊魔法)消費MP20
ディストラクションは2日分のMPを消費する。まだ使える魔法は少ないし、力加減もうまくできない。特にディストラクションは力加減をミスると結構な被害が出る。せっかく私のことを知っている人のいない中学校に来たんだから今度は普通の女の子として普通の生活を送りたい。
――だって、小学校のときは、怪我した友達にヒールを使ってみんなにいじめられたから。
「真歩、おかえり。」
「うん。ただいま。」
真歩は私の名前。お姉ちゃんがつけてくれた。魔法が使えるからって安直すぎ。と思ったけど「真実と思った道を歩んでほしいって意味もあるんだよ〜」と言われたとき、一瞬でこの名前を気に入った。それに、お姉ちゃんは里歩。本当の姉妹みたいで嬉しい。そんなお姉ちゃんが私を見て眉を寄せた。
「真歩、テレポートで帰ってきた?」
「そうだけど?誰も見てなかったし。」
「誰が見てるかわかんないんだよ!?それに、一回使ったら回復魔法だって使えなくなるんだよ!」
「めったに使わないじゃん。てか、なんで使ったって分かるの?」
「部活に入ってない真歩が長い帰り道を汗ひとつかかずに帰れるわけないじゃない!それに、めったに使わないからといっても、いつ使う必要があるかは分からないじゃない!」
「はいはい、分かりましたー私が悪かったですー」
「分かってないじゃない!」
「分かったから!私勉強するから騒がないでね。」
テーブルについて勉強を始める妹を見て里歩はため息をついた。