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ロボットにも心くらい
愛色からのリクエストです。
愛色、遅れてごめんね。
私はF。
なにかのコードネームでもなんでもなく、本名だ。
なんせ私はロボット。まともな名前なんて無い。
そんな私が唯一気を許せる相手。
それは人間の、|拓弥《たくや》。
私のことをメンテナンス?とかしてくれる人。
唯一私が話せる人。
拓弥はどう思っているかわからないけどね、私ロボットだし。
でも最近、拓弥を見ると心臓のあたりがおかしくなる。
早くメンテナンスしてもらわないと。
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「拓弥、居る?メンテナンス頼みたいんだけど…」
「いるよ〜」
「んで、今日はどうした?」
「なんか心臓のあたりが…どきどきしてる感じがするの。」
「………分かった。直すわ。」
そう言って、拓弥は私の腕にUSBメモリを差す。
腕時計みたいになってるけど、これ腕の一部なのよね。
流石ロボット、不思議不思議。
自分の体に自分で感心しながら待つ。
「はい、終わったぞ。」
お、ほんとだ。直ってる。
「流石拓弥。変な感じなくなったわ。ありがとう。」
「いやいや、大丈夫大丈夫。またいつでも来いよ〜」
そう行って、私はその場を離れた。
でもあのUSB、拓弥の胸ポケットに何個か入ってた気がするんだけど…
違うわよね。
私、《《記憶でもなくしたんじゃないかしら》》。
そんなわけないと首を横に振り、私はその場を離れた。
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〜拓弥side〜
これで23回目か…
何度、彼女は自分を思ってくれたのだろうか。
何度、自分はそれを無いものにしているのだろうか。
彼女が、心臓がおかしいと言い出すたびに。
今のようにUSBを差し込んで、記憶を消していた。
日常生活に支障をきたさないよう、行き過ぎた感情のセーブだけ――
これからも彼女は、自分を想ってくれるだろうか。
自分はそれに、答えることができるのだろうか。
まだそれは、分からない。
でも、彼女が幸せに今後を過ごすこと。
それだけが、今の自分の願いだ。
〜拓弥side終了〜
822文字。
少ないけど詰まってる短編を目指してるんだけどなぁ…
駄作。すみません。