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「似非主義」
タイトルは「にひりずむ」と読みます。
僕ら迷ってしまった
まるで愚かな子羊
こんな世界に生まれ落ちてしまった
人生とは暇潰し
だって死んだら金も愛も想いも
天には持って逝けない
屍にさえなってしまえば
天才も 愚鈍も皆墓の子よ
意味なんてないのに
「意味を求めて意味がある?」なんて
矛盾に寒気だ
嗚呼
死んだら何も残らない
この歌や言葉だって忘れられて
僕もそうだ 例外はないや
どうしてここで走るの
どうしてここで笑えるの
教えてよ
きっと僕と君らは
似て非なる
現世に生まれてしまった
二人きりの犯した罪を許さない
その口さえなくなれば
さえずる鳥も毛繕いの猫も
あんなに|尊《たっと》いのに
愚かな血が消えない
「どうせ死ぬなら失敗ノーカン」
「人生一度きりだということ」
違う 違う まるで違うんだ
どうしてそんな輝かしい目が
できるんだ
嗚呼
死んだら何も残らない
この気持ちや息だって亡くなって
君もそうだ 例外はないのに
歪んだ思想で結構だ
でもなんだかこんなに熱が足りない
氷漬けで
|似非《えせ》模様
(嗚呼 嗚呼……)
ねえ
空いた胸がまだ
無性に君を求めているとして
それでも間違いなんて言わないで
言わないで
だって
死んだら何も残らない
君への恋も愛も全部消えて
苦しい逃避の声だった
本当なんてもう知らない
ただあなたの思想に縋っていたい
でも でも
弱い僕のままで唱えるさ
僕は変わらずに
|似非《えせ》模様
涙浮かべたまま
|似非主義《にひりずむ》