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人気のなかった実況者の元に生まれた子は、
霧雨 百合花の過去編
ある日、1人のゆっくり実況者がいました。
そのゆっくり実況者は14歳で、名前は『|百合花《ゆりばな》 |彩音《あやね》』。
彩音は、憧れていたゆっくり実況者になり、
毎日投稿、と言っても、ショート動画をいっぱい作り、
ほぼ毎日のように投稿していました。
ですが、ある日突然、視聴数が減ったのです。
彩音は『流石に、ショート動画だけでは限界がある』と思ったので、
横動画も少しづつ作成していき、
1週間に1つの動画は投稿できるようになりました。
それでも、視聴数は減っていくばかり。
昔は、たくさんの人が見てくれていたのに、
今じゃ数少ない人。
チャンネル登録者数も、高評価も、視聴数も増えない。
そしていつしか、彩音はパソコンの前に座ることをやめてしまったのです。
そして、そのパソコンの中に残った彩音の代理、『|花道《はなみち》 |百合花《ゆりか》』。
彩音、そして視聴者に忘れられたことにより、幻想入りしてしまったのです。
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幻想入り、とは幻想郷に行ってしまうこと。
幻想郷とは日本のどこかにある、人里離れた山奥にある陸続きの土地。
周囲は『|博麗大結界《はくれいだいけっかい》』という特別な結界で覆われており、
これにより、外の世界(私たちが住む近代社会、現実世界)
の常識や科学が遮断されているのです。
住人は、外の世界で「迷信」や「不要なもの」として忘れ去られた
妖怪、鬼、神様、そして一部の人間たち。
昔は日本各地にあるような、妖怪が棲み人間が恐れる荒涼とした山奥の一つ。
明治時代以降、外の世界が科学や唯物論を重視して妖怪を否定・排除していく中、
妖怪たちが自身の存在を守るため、
結界を作って隠れ住むようになったのが現在の幻想郷なのです。
百合花はそんな幻想郷に行ってしまい、
よくわからない、初めて見る場所、
ですが、ゆっくり実況の世界でよく見たような場所に飛ばされてしまったのです。
百合花は迷いました。
どこへいくのかもわからず、ここがどこなのかも、どうしてここにきたのかも。
それでずっとずっと歩いて、ジメジメとした森、
『|魔法《まほう》の|森《もり》』の奥にある、
『|霧雨魔法店《きりさめまほうてん》』に迷い込みました。
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百合花「すみま、せん…」
|魔理沙《まりさ》「おっ、いらっしゃいなのぜ!珍しいお客さんだなぁ!」
|霧雨魔理沙《きりさめまりさ》。普通の魔法使い。霧雨魔法店の店主。
魔理沙「それで、どうしてこんなとこに来たのぜ?」
百合花「……わかんない…。」
魔理沙「あー…。君の名前は?あたしは霧雨魔理沙なのぜ!」
百合花「|花道《はなみち》…|百合花《ゆりか》…?」
魔理沙「百合花!いい名前だなぁ!」
百合花「私、なんでここにいるのかわからない…。」
魔理沙「…そうか、とりあえず、休憩していくか?」
百合花「ぅん…(頷)」
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百合花は視聴者に、彩音に忘れ去られたもの。
なので、百合花は幻想郷の住人となってしまい、
そして、霧雨魔理沙の義妹になったのです。
そんなことがあってから、早1ヶ月。
また、新しく幻想入りした者が来ました。
それは、百合花彩音。
そう、彩音は長らくゆっくり実況者として活動してなかったため、
視聴者に忘れられ、幻想入りしてしまったのです。
そこで、2人の再会、感動__誰もがそう思った。けれど違いました。
百合花の中にあったのは、‘恨み’。
動画を作らなくなったこと、自分を忘れたこと。
その‘恨み’。彩音が‘憎らしい’。
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彩音「ゆり、か…ごめん…。」
百合花「っ!!あんたの顔なんか見たくない!!なんでいるの!!!
私を忘れた癖に!!なんで!なんで…っ!!」
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そこは静かに混沌に包まれた。
『ごめん』
彩音はそれしか言えませんでした。
声の掛け方もわからない、だって、
まさか自分の代理と再会するなど思っていなかったから。
ここまで怒らせているとは思っていなかったから。
全て__**《《*`事実だから`*》》**
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『ごめん』
『ごめんなさい』
『ごめんね』
『許して』
『ごめ、ん…』
謝り方なんてわからない、自分の代理にどう声をかければいいのか。
どうすればいいの?
ごめん、許して、そうしか言えない。
どうしたら許してもらえるの?
どうしたら仲を取り戻せるの?
私は…………
***どうしたらいいの***。
そんな自問自答を繰り返す。頭の中で、ずっと、ずっと。
百合花だって、怒りたくて怒っているわけではない、
けれど、どう接したらいいのかわからない、
湧き出てくるのは、こんな言葉ばかり。
百合花だって、彩音との仲を取り戻したい。
どちらも『**|正解《こたえ》**』がわからない状態でぶつかり合って。
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それから数時間、やっと落ち着いた二人。
どちらもお互いに『ごめんね』と。
そこから彩音は、
『視聴者を待たせているかもしれない』
『百合花ばっかりに頼らず、自分も出よう』
そう考えた。
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そして、新しく『彩り日常生活』としてチャンネルを立ち上げ、
百合花と実況を続けて、成長し、
たまたま知り合った奇想天外なメンバーと一緒に、
『|彩《いろど》り|日常生活事務所《にちじょうせいかつじむしょ》』を立ち上げたのでした。
【おしまい】