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共鳴
読み切りです。
私はーー
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悲しいことがあると私、舞(まい)は夜道を一人で歩くのが癖。
背中を丸め、俯いているので知り合いにあっても絶対にバレないし誰からも怪しまれない。
行くあてなんかはないのに。
誰かの生活音や光のなか私はどこかへ行く。
すれ違う名前も知らない見ず知らずの人達。
私の事情なんかは知らずに楽しそうに笑い合ったり家族が待つ家へ急いだり。
少しだけでも私のこの辛さを分けれたら。
私は少しでも楽になるのかな、
信号を待つ間だけでも。
少しだけでもいいから。
察して欲しかった。
私は気づいたら泣いていた。
誰だってあるはずなのに。
見ず知らずの通行人は何も知らない顔をして通り過ぎていく。
理由ははっきりとは思い当たらないのに。
涙が溢れてくる。
そばにいるのに遠い君のせいで。
言葉を交わさなくても。
心は通じ合ってる訳でもないのに。
勝手に心が共鳴しだす。
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君が信じてこないこの世の中も。
思ったより愛に溢れてるのかもしれない。
話しかけては来なくても。
世界中の誰かは君のことを考えて幸せを願ってるかもしれないのに。
だからーー
1人では負けそうな突然やってくる悲しみでも。
一緒に泣いてくれる誰かが、君がいて。
乗り越えられるようになってる。
いつのまにかーー
心は通じ合うはず。
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抱え込んだ憂鬱とか。
胸の痛みとか。
理由はあるのに思い当たらずにまた涙が勝手に溢れる。
何も気づかないふりをして涙を流したかった。
読んでいただきありがとうございました!