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ざ、しょーと #3
『ミステリー』
午前0時に事件は発生した。
何者かが家の冷蔵庫へ侵入。そこで厳重に保管されていた|貴重品《プリン》を取り出し、その場で破壊したという。
この不可解で非合理的な事件から、被疑者を3名集めた。
橙子、咲、佐助の3名だ。
職業はそれぞれ専業主婦、咲と佐助はどちらも学生だ。
アリバイはこうだ。
橙子はその時、眠っていたと言う。
咲は友達との通話で盛り上がっていた。
佐助は受験に向けて、勉強をしていた。
この中で一体誰が怪しいのだろうか。
そして現場で使用されていた凶器は、全て台所に流され、証拠が隠蔽されていた。
アリバイを全て本当だと仮定すると、この中で眠っていたと言う橙子の可能性は限りなく低くなる。
咲は通話中に離席すればいつでも犯行に及ぶ事は可能で、佐助も、勉強を切り上げて犯行に及ぶことが可能だ。
数少ない証拠の中で、限られた中で犯人を特定する…なんと難しい事だろうか。
だが!私は違う。この中からでも探し出したのだ!
「犯人は佐助さん、貴方ですね!」
この中で唯一好条件で自然と犯行に及ぶことができ、足音をかき消し目撃者がいない状況を作ることが容易だからだ。
しかし、佐助はこういったのだ。
「ちがうよ。俺そもそも勉強してたっつっても寝落ちしたし。」
現場は一気に凍りつく。
すると1人が手を挙げ、こういった。
「ごめんなさい。私よ。寝ぼけててあなたのプリンだって気づかなかったのよ。」
自白した犯人は橙子だった。
犯人はいつも現場のそばにいる。
すると咲が口を開いた。
「父さん、探偵ごっこはもうやめな?」