公開中
    7 Fi yw'r un a fydd yn torri'r drych
    
    
    
    殺す。
殺す。
私が殺す。
アリスは私が殺す。
ぜったいに、殺す。
「ユリ…?」
ドキッとして前を見る。
鏡のように、こちらを映す瞳。
「どうしたの?」
「い、いや…なんでもない。」
少し焦って、早口になってしまう
「ユリって姉ちゃんみたい。うちの姉ちゃんもユリみたいな感じやった。」
セイがにこにこと言ってくる。
「え、そう?私、別に普通だけどなぁ…」
返事をしながらもやっとする。
__私のことなんてなんも知らないくせに__
透明な水に墨汁を垂らしたような感情がじわじわと湧き上がってきた。
そりゃそうだよ
私は
あの子の
あの子の……
―なんだったっけ
忘れちゃった
---
何故だろうか、
アリスの瞳を見ているとすべて見透かされているかのような気持ちになる。
不思議だなぁ!
彼女のことがもっと知りたい!!
彼女について知り尽くしたい!!
彼女のいちばんになりたい!!!
ボクの邪魔をするやつは許さない。
そうだ
彼女を"理解"するついでに、"理解"することの邪魔になりそうな人物を処理しよう。
その処理のついでと言ってはなんだが、その人物で彼女に実験を施そう。
そこからデータをとって……
パソコンのキーボードをカタカタと音を立てて叩く。
ふと部屋が眩しいことに気が付き、カーテンを引く。
そしてまた軽快な音を立ててキーボードに手を打ちつける。
気がつけば口元が緩んでいた。
ボクは彼女の一番になれるかなぁ!!