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⒉ 初めての出会い
苦しい過去のせいで、周りを信用できない主人公「優好」。
その優好がちょっと乱暴な男の子に会う…一体どんな展開になるのか!?
「何書こう…。」
公園のベンチで1人呟いた。1人で公園のベンチで何してんだろ。思わず笑いが漏れる。
するとブランコが不意に揺れている。誰か、いる。
どこまで私のことを見ていたのだろう。1人で笑っているところを見られていたら最悪だ。
でも遠すぎて誰かさっぱりわからない。なんとなくあの制服はうちの学校?多分男子…?
するとその男子がこっちに近づいてきた。だんだんはっきりと顔が見えてくる。あ、こいつ…!
「あ!やっぱり!神崎だと思った!」
そうして、そいつがニッと笑って白い歯をみせる。
「…。」
「なんで無視すんだよー挨拶ぐらいしろよな?笑」
思わずゴクッと唾を飲み込む。
「白、神…。」
そうこいつは|白神 好大《しらかみこうだい》。
私のクラスメイトで、常にチャラチャラしてふざけててだらしない。っていう印象しかない。まぁ要するにあんまり好きじゃない。
向こうも私のことなんか興味ないはずなのに、どうして話しかけてくるの?なんでここにいるの?今日は部活はないの?
頭の中が疑問でいっぱいなっているのを気づかれないように平然を装った。
「何?なんか用?」
「冷てー態度。」
「何の用って聞いてるんだけど?」
負けじと対抗する。
「別に何でもないけど。公園はみんなの場所だぞー。」
それぐらい知ってるわバカ。ほんとこいつは頭にくる。
「今日は部活ないの?」
イラついて感情任せに話題を変えた。
「神崎…俺のことめっちゃ知ってるじゃん…。」
ちょっと嬉しそうに口角を上げている白神を見て、私の胸がドキッとなった気がした。何、今の表情。あんな白神見たことがない。
でも、今の一瞬の胸の高鳴りを知られたくなかった、いや認めたくなかったからそれがバレないように、口を開いた。
「それで部活は休み?って聞いてるんだけど。」
そう、今の気持ちは私の気のせい。不意に笑顔を見せるあいつが悪い。
「今日は休みですけどぉ?あ!そうか!帰宅部の神崎にはわかんないかぁ?笑」
そう言われてかなりイラッとした。さっきまでのドキドキが一気に消えて、逆に怒りで体が熱くなっていくような気がした。
「なんなのよ、バカ。」
そうぽつりと呟いてしまって慌てて口を押さえたけど、たまたま通った車の音で聞こえなかったと思う。
「俺ここで、あのレポートしようと思ってさ。」
「えっ…なんで?」
すると白神はあからさまにシュンと言いたげな表情をする。そんな顔、反則でしょ。
「俺のこと嫌い?」
「えっ、あ、えっ、と…。」
反応に困る。そんなことないよって言って、じゃあ俺のこと好きなの!?って言って喜ばれたらどうしよう。面倒ごとには巻き込まれたくない。なんて答えたらいいか分からない。
「やっぱりそうなんだ。」
違う。そんなことない。
「そんなこと…。」
そう言おうとしたら、白神の声がかぶってしまった。
「まあ、宿題するだけだから。」
そう言って苦笑いをしている。
「うん…。」
ごめん。こういう時に言えない私ってすごいずるい。胸が苦しい。
やっぱ私なんか…。
でも私の足は動かない。
だって君は知らないでしょ?私が景色より、君の横顔を見ていること。君の字が思っていたより綺麗だなと思ったこと。
そして…今はここに居たいなと思ったこと。
この気持ちが好きという気持ちか、そう聞かれたら認めなくないけど、間違ってはないのかな、と思う。
人間不信の私が恋なんかできるわけない。この気持ちにはそっと蓋をしようと思った。
次回は第三話「私の汚い心」です!!お楽しみに!!!!!!