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ごめんね、ありがと、大好きだよ
アトネ・ノベバにも載せてる幽境 恋雨(ゆうきょう れんう)ちゃんの過去小説です
実は恋雨って明日誕生日なんよね はぴば
もし、全てがやり直せたなら。
もし、もう一度貴方に会えたなら。
その時、私は__。
小学校5年生の頃だった。
トイレに行ったら、天井から自分目掛けて水が掛かった。
何かと思った。
その後クスクスという笑い声が聞こえて、「ああこれが俗に言ういじめって奴か」とどこか他人事のように思ったことを覚えている。
それから、私はいじめられるようになった。
例えばお弁当の中身が空っぽになっていたり、靴がないと思ったら画鋲が刺さった状態でゴミ箱に捨ててあったり、机に死ね消えろと書いてあったりと…典型的ないじめではあるがなんというか、ご丁寧にも私が死ぬまで付き合ってくれていたのが凄いなと今になって思う。
まぁ、当たり前のように日に日にいじめはエスカレートしていって。
どこかの漫画みたいに王子様が現れて私を助けてくれないかなー、なんて思っていた。
突然の転機は、中学2年の時だった。
だから…今から3年くらい前?そう思うとここまで持ったの凄いね。
…話を戻そう。
ともかく、私はいつものように続くいじめをあしらいつつ、学校生活を過ごしていた。
今日は何をされるのかなと思いながら教室へ入ると。
私の席のほうに、見慣れない背中が見えた。
「…?」
何してるんだろう、と思った。
「あの、すみません」
「っ!」
彼は驚いたように私を見て、それから言った。
「あ…ごめん、迷惑だったかな」
「全然大丈夫です、何をされてたんです…か」
私が視線を机にやると、そこには。
心の膜を突き破ってくる悪口達が、綺麗に消されていた。
え、と思った。
「…ごめん、いても立ってもいられなくて」
「…っ」
突然視界が歪んだ次の瞬間、私の瞳からは涙が溢れていた。
「…ありがとう」
そう言葉にするので精一杯だった。
それから、彼と私は少しずつ仲良くなった。
趣味が合うことが多くて、たちまち親交を深めていった。
「ねぇ、これ見て!」
「面白そう!いいね!」
その瞬間達が、何よりも楽しくて幸せだった。
ある日。
「ねぇ、恋雨」
「?」
彼は、すぅと息を吸って。
「お、俺と…付き合ってください」
一瞬何を言われたのが本当に分からなくて、その言葉の意味を理解した時には顔が真っ赤になっていたと思う。
「え、え、え…?」
「ご、ごめん、急に…でも」
真剣にこちらを見つめてくる瞳は、これは嘘じゃないと断言していた。
「…はい」
「っ!いいの?!」
「うん。…よろしく、ね!」
それからの学校生活は、いじめられながらも楽しい毎日を送っていた。
必死に勉強していじめっ子達とは別の高校に入ったのが功を成したのかもしれない。
…あんなに突然、そんな生活が終わるなんて。
多分、誰も思いはしなかった。
「ねぇ」
そう声を掛けられて、びっくりした。
何故ならそこには、私の忌まわしい小中学校時代のいじめっ子が立っていたから。
「聞いてんの?」
…あー、久しぶりにその声を聞くとこの人も随分幼稚だったんだなと再認識した。
適当に話を聞き流していたのだが、次の瞬間、耳を疑う言葉が聞こえた。
「あいつと別れなさいよ」
「…え?」
「え、じゃないわよ。早くしなさい」
「…どういうこと…?」
「ごたごたうるさいわね、早く行きなさい!」
反抗したいのに、できない。
どうして。
気が付けば、彼の目の前に立っていた。
「ど、どうしたの…?恋雨」
声が震える。
「ごめん」
言いたくない。
「別れよう」
自分で言っておいて、涙がぽろぽろと流れていくのは何故なのか。
「えっ…?」
困惑する彼を他所に、私は走り去った。
…あぁ、やってしまった。
また、また。
…もう…嫌だ…。
気付けば学校の池の前に立っていた。
澄んだ水。
それでいて底は見えない。
座り込んで必死に嗚咽を堪えていると。
「はっ」
鼻で笑うような声が聞こえて。
私は。
水に沈んだ。
息が、できない。
苦しい。
意識が。
もう…。
…死ぬ前、最後に思ったのは。
“彼に会いたい、ごめんねと、ありがとうを言いたい”。
それだけだった。
やっぱ恋雨って優しいねぇ…
よく考えずに作ったり書いたから「バドエンかハピエンか分かんないけど好き」ってコメが結構来てた