うしろのしょうめんだあれ？

「悠、部活辞めてよかったのか？」 「うん、もういいかな〜」 いつもの帰り道。他愛もない会話で３人で帰る。俺たちは帰り道に神社があるような田舎の高校に通っている2年生。悠は昨日、一年の初めから入っていた運動部を辞めた。 「綾人は部活何入ってるんだったっけ？」 「俺は美術部」 美術部のメンバーはそこそこ多い。まあ、3分の2以上が名前だけの幽霊部員だが。俺は放課後の美術室が好きで一応行ってはいる。が、活動日も週に2、3回だ。部員の中でよく行っている方だと行っても週1ペース。 「俺も美術部入ろっかな〜」 「僕、こっちだから。じゃあね」 これもいつも通り、後ろで楽しそうに俺たちの話を聞きながら、神社の前で別れる。 「…なあ、悠。あいつ部活なんだっけ？」 「え？あいつお前の友達じゃねぇの？」 きょとんとして言い返されるが…。 「いや…俺はてっきり悠の友達だと…」 「え、じゃああいつ、なんで俺達について来ていたんだ…？」 違う、そんなことより。この田舎の高校だ。名前がうろ覚えでも顔をみたら何学年の何組くらいは分かる。なのに。 「あいつ、名前なんだっけ…まず、学校で見かけたことあるか…？」 「お、おい。冗談言うなって…そんなの見かけたことあるに決まって………。あれ…？」 「じゃあ、あいつは誰なんだ…？」 --- 「……ふふっ。また明日」