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きっと明日は
日替わりお題 老い
何度書いてもうまくいかないっすわ!!
いま、私は不老不死と荒廃した地球を歩いている。
「・・・今日はどこに行くんだ?」
「うーん、どこ行ってもつまらないからなぁ。」
「そっか。」
不老不死は退屈らしい。この世界を歩きまわったからほぼ知ってるところしかないらしい。
そして、人が死ぬことに対しては慣れてしまってなんとも思わないらしい。私にはよくわからない。
「あのさ、どうして君は不老不死って存在になったの?」
「・・・・・なんでだったんだろ。」
「・・・自分でもそうなった理由、わからないんだ。」
「うん。そうなんだよね。」
「どうしてか・・・・ならさ、何で君はこの世界で生きることができていたの?普通は人は地球がこんなんになったら死ぬよ。」
「・・・・なんでだったんだろ。私もわからないや、他の人達は全員死んでるのにね。」
「お互いわからない者同士だ。体感何ヶ月も何年も一緒にいるのに。」
「ね」
君と話しているときはいつもこんな感じだ。いつも変わらない、少しゆったりな会話。でも、話している中で段々と私の声はしわがれていく。時は経っている。私の声がしわがれても、君の声は変わらない。かわいい声のまんまだった。
君の歩いていた足が止まる。君は空に光る星をみていつもと違う表情をした。
「何かあった?」
「思い出した。なんで不老不死なのか思い出したよ。」
「私はさ、神だったんだ。この地球を見守っている。あの星が教えてくれた。」
「・・・・神様なんだ、君って。」
「あ、神様なら敬語の方がいいかな?」
「敬語じゃなくていいよ。その方が楽だし。」
「そっか。・・・神様か。」
「確かに、神様って無限に生きていられるイメージあるもんな。」
「・・そう?」
「そう。」
「あのさ、神様なら僕を若返らせて、時を止めてずっと一緒に居られるようにしてくれないかな?」
「それは…何故?」
「いつか僕が死ぬとき、君を1人にさせるのが苦痛だから。」
「…苦痛ではないよ。」
「苦痛じゃないのか、、。」
苦しくない…ならいいのか?僕には神様の思考回路がわからない。わからないけど、逆に苦しくないのは僕の心が苦しくなるような気がする。
「苦しくないから心配しないでいいよ。」
君が、いや、神様がニカッと笑う。
どうしてこんなに眩しい笑顔なのだろうか。
「……そうだね、心配しないでおくよ。」
僕が発した言葉の余韻が頭の中で響く。
また君は歩き始めた。僕はついていく。
あの星が何を言ったのかはわからない。わかったところで混乱しそうだからそのままにしておく。
でも、僕と|神様《きみ》が幸せならもう、なんでもいいと思えた。