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第7章:時の階段《カプリコーンの記憶》
山の頂に、石でできた階段があった。 それは空へと続いているように見えたが、どこにも繋がっていなかった。 「時の階段」と呼ばれるその場所は、かつて星霊が時間を刻んだ聖域だった。
ルミナは、ゆっくりと階段を登っていた。 一段ごとに、過去の記憶がよみがえる。 星霊たちとの出会い、痛み、赦し、選択―― すべてが彼女の心に刻まれていた。
階段の頂には、巨大な砂時計が浮かんでいた。 その砂は、止まっていた。 ルミナが手をかざすと、星霊の記憶が流れ込む。
「私は登り続けた。 山を、時を、運命を。 だが、頂に辿り着いたとき、私は気づいた。 そこには何もなかった。 私は星霊となり、時間を刻む者となった。 だが今、私の記憶は止まっている。 あなたは、時を動かせるか?」
ルミナは、砂時計に手を添えた。 彼女の心にも、止まった時間があった。 過去に囚われ、未来を恐れた瞬間。
「私は、時を動かす。 過去を受け入れ、未来を選ぶ。 あなたの記憶は、私の覚悟で動き出す」
その言葉に、砂時計が震えた。 砂が流れ始め、階段が星光に包まれる。 カプリコーン座が、夜空に戻る。
ルミナの周囲に、時の輪が現れる。 敵の動きを遅らせ、味方の力を加速させる。
クロノ・カプリス:敵の行動順を遅延+味方のスキルCT短縮。
星霊の声が、静かに語る。
「あなたの覚悟が、私の時を動かした。 時は、止まるものではない。 次に待つ星霊は、禁忌を超えた者。 彼は、星霊でありながら、星霊に背いた者。 あなたの魂が、彼の封印を解く鍵となる」
ルミナは、時の階段を後にした。 空には七つの星座が輝いていた。 だが、次に向かうのは――虚星の地。 そこには、封印された星霊《オフィウクス(へびつかい座)》が眠っている。