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公開中
運命は時に残酷である。
湊
遮光カーテンの向こう。 肌を寄せあい抱き合う者達がいた。 誰からも愛されず育った者と 皆から愛され育った者。 間接照明すら眩しく見えるほどの歪でどろどろの暗闇に沈んだ関係。 ただお互いを求め合うだけの獣のような行為。 言葉を重ねることも唇を重ねることもない。 お互いが心地よく気持ち悪い。 ベッドの側のテーブルには、揺れる水と、二人の間に残った痕を覆うモノ。 他人はこの痕を愛と呼ぶが 此処では要らぬ感情。 だが、次第に その関係には、名前のない感情が混ざり始めた。 求めるだけだったはずなのに、離れることが怖くなる。 傷つけるだけだったはずなのに、傷つけられることを嫌うようになる。 愛など要らない。 そう言い聞かせるほど、その言葉が遠ざかっていく。 二人はまだ、それを愛とは呼ばなかった。
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