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異変解決! 〜異次元消息異変〜 陸
わたし・幽以は危険森に来ていた。兎医さんたちを撃破し、危険森に踏み込む。
「同居人兼メイドさんが行ったよ。合流できるといいね。くれぐれも、花音様のご親友みたいにはならないでね」
おそらく、星羅さんが先に行ったのだろう。結構強かったから、それなりに強いのかもしれない。
深い森、黒い葉っぱ、ボロボロのツタ。いかにも、おとぎ話にでてくる怖い森、といった感じだ。
ザッ、ザッ、ザッ…
「きゃっ…?」
何やら足音がする。引きずっているみたいな歩き方だ。
「__…君は…__」
「ひっ…!?」
微かな声。怖い、怖い…いっそ戻ってしまおうか…
「__助けて…__」
「助けてっ?」
意外な言葉だった。遭難者?こんな森なんかで…
星の力を使って、明かりを灯す。彼女は身なりはボロボロで、髪もボサボサだった。明かりを頼りに、取り敢えず森を出た。そのとき、明かりに気づいた星羅さんがついてきた。
「この人、遭難していたみたいで」
「へぇー。じゃ、この人は花音さまのご親友なのか」
「私たちで手当しなきゃ」
「その前に水だよ!」
せっせと水を飲ませ、食べ物を与え、ベッドに寝かせる。
彼女が起きたのは10分くらい後。文さんが書いた新聞のコーナーを読み、なんとか手当てを終える。
「花音は!?」
「花音さんのことを、知っているんですか?」
「うん。花音はあたしの親友。XXXX年X月X日、わたしはあの森へ旅に出かけた。未だ解明されていない森の探索に。あたしの趣味はランニングとか、そういうのだったから。でも、出かけたきり、道に迷った。手前のほうには人が住んでるみたいだけど、あたしは彷徨って深いところまで来たみたい。ありがとう」
「はい…」
多分、この人は何も知ってないんだろうなぁ。
そう思いながら、わたしは地縛霊なりに手当てを進めた。