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ぼくくん目線
告白シリーズの二次創作。ifストーリーなら行けるんじゃない?ってコメントあって、いいなーって思ったので。あ、ちなみに`成就する`ので。成就するから。原作は全然だけど…これこそが二次創作の特権です。もしかしたらキャラ崩壊あるかも。
今回はぼくくん目線でいきます。わたしちゃん目線もやります(断定)
ね〜………前置き長くなったけど、それではどーぞ。
ニコニコした顔で、ふたりベンチに座る。
ぼく___青井ぼく___は、隣に座る桃野わたしちゃんが好きだ。
多分彼女は、ぼくに恋愛感情を抱いてるとかはないんだろう。…あの時の「好き」がどっちの意味だったんだろう。
「なあなあ」
「何?」
今日も、向こうから喋りかけてくれる。
たまには、ぼくから喋りかけてみようかな。いや、でも、わたしちゃんの話題にのるのが楽しいのだ。今日はどんな話題をふってくれるんだろう。総理大臣になったら、干支を可愛くするとか、家電と付き合うなら誰がいいとか、突拍子もないやつばっかり。でも、そういう発想がすごいな、とも思う。
そんな思考がぐるぐる頭を回る。いつもなら、そんなこと遮って、わたしちゃんの高くてかわいい声が聞こえてくるのに。
「…何?」
もう1回、聞き返してみる。
わたしちゃんの方を見れない。だから、顔がわからない。ちゃんと見て、言いたい。でも何故か、そうできないぼくがいる。
3回目はダメだろうな、と思い、ぼくは何も話せないでいた。
「………」
わたしちゃんは黙ったっきりだ。
…いや、微かに何か言っている?
「ごめん、聞こえんかった。なんて言ったん?」
「いや、なんでもないわ。今日はもう帰る」
そう言って、わたしちゃんはどこかへ行ってしまった。
やっぱり、ぼくなんかより友達の方がいいのか。当たり前、だよな…
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わたしちゃんを怒らせてしまったのだろうか。ぼくが何にも言わず、いつもわたしちゃんが何か言うのを待っているから?たまには、ぼくから何か言ったほうがよかったのだろうか?そもそも、ああやって時間をつぶしていて、つまらなくなったのだろうか?いや、なんでぼくと喋り始めたんだろうか?
「…明日、もっかい言ってみるか」
そんなことを思いながら、ぼくは何を言うか考えた。
本当は告白したいところだが、気まずい雰囲気にになってしまっている。こんなところで言ったら、空気が読めないやつと思われる。
不安を抱えつつ、ぼくは眠りについた。
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校内では、ほとんど喋らなかった。
ベンチでいつもみたいに待つ。
「なんで、ぼくを優先したん?」
昨日考えていたことと、全く違うことを言ったぼくがいる。
「え?」
「いや…だって昨日、途中で帰ったやん」
「…??」
「今日はもう帰るって言ってさ…ぼくと一緒に話すと、つまらんのかって思った」
「…???」
わたしちゃんは、黙りきったままだった。
「え、どういうこと?」
しばらくの沈黙の後、わたしちゃんはそう言った。
「わたし、ぼくくんのこと全然嫌いじゃないよ?」
「………えっ?」
「なんで嫌いって思ったの?まさか、ぼくくんわたしのこと嫌い?」
「いや、そんなことない!好きやから!」
「…やった」
「え?」
思わず、ぼくはわたしちゃんの方を見ていた。いつものニコニコ顔___いや、いつもより、ちょっとだけ、もっと嬉しそうな顔。
というか、何が「やった」なんだろう。
「ようやく言ってくれたな」
「どういうこと?」
「ぼくくん、ずっと言ってくれなかったからさ〜。昨日言おうと思ったんだけど、約束とか思い出しちゃって」
その言葉で、体の力が抜けていくような気がした。
「え?え?え?え?」
「なんでそんな戸惑うん?」
「いや、だって…」
ぼくの思い込みだったのか。考えすぎだったのか。
「え、だから…」
「うん、いいよ」
その「いいよ」がどんな意味なんだろう。
黙っているぼくに、わたしちゃんが続ける。
「いいって?」
「もう、そんな言わせないでよ〜。付き合うってことやろ」
付き合う、という言葉が出た途端、いろんな感情が溢れ出てきた。
「…ありがとう」
ありきたりな言葉しか出てこない。たぶん、ぼくの顔もわたしちゃんと同じく、いやそれ以上にニコニコしている。
ぼくとわたしちゃんで、素敵な人生を歩んでいこう。ぼくの中で、そう決めた。
1648文字ですか。え、これだけで43分かかったんですか?