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prologue
いつも通りの日だった。
後にそんな事が起きるとも知らずに、私はセカイに来た。
「 あれ、皆の声がしない…? 」
いつもなら廊下まで咲希の声が響いているはずだが今日は違った。
不思議に思いながら、私は教室の扉を開けた。
中に入ると思いもよらぬ光景が広がっていた。
咲希「 そんな嫌だよっ! 」
穂波「 咲希ちゃん… 」
志歩「 っ…」
何故か皆、ミクのほうを見ながら泣いていた。
「 みんな、どうしたの…?」
咲希 「 いっちゃん!ミクがミクがッ!!」
「え…?」
私はミクのほうを見た。
ミクは何故か体が透けていた。
「 え…、ミク?」
「 どうしたの…?」
ミク 「 一歌、ごめんね 」
ミク「 私、」
ミク「 消えちゃうみたい(笑) 」
一歌 「消える?どういう事…」
ミク「 そのまんまの意味だよ、私がこのセカイから消えるの 」
一歌 「そんな、嫌だよッ!」
ミク「 私も、もっと皆と一緒に居たかったなぁ… 」
ミク「 ごめんね、最後まで一緒に居られなくて 」
一歌 「 やだ、消えないでよ…、」
ミク「 皆、いままでありがとう 」
ミク「 これからも、歌を届け続けてね 」
ミク「 一歌達ならきっと、出来るから 」
一歌 「ッ、ミク…」
ミク「 みんな、さようなら(笑) 」
ミクはそう言い、消えてしまった。
そこからの事はあまり覚えていない。
ただ、泣き続けていた。
それだけだった。
その出来事から一か月後、
クラスでは転校生が来るという話題で持ちきりだった。
まぁ、私は興味がなかったけれど。
先生 「 皆さん今日は転校生が来ています 」
ガラガラッ、
『 初めまして、|美空《みく》です』
『 これからよろしくねっ! 』
「 え…、」
転校生は私が今一番会いたかった
ミクにそっくりだった。