公開中
途中3
小説書こうと思って途中まで進めたけどありきたりだし普通に面白くないから終わりです。
「高杉さんて、ノリ悪いよねー。」
ユミコが言った。それは意図的になのか案外大きな声で、私は内心で少し焦った。本人に聞こえてしまうじゃないか。チラリと教室の隅の席に座っている、高杉直子の方に目をやる。いつも通り1人で本を読んでいて、聞こえたのか聞こえなかったのかよくわからない。「せっかくあたしが誘ってあげたのに!」ユミコは不機嫌そうに続けた。子供みたいだなと思う。まだ中学生だし、子供なのだけど、カラオケに誘って断られたから、陰口を叩くのは、幼稚だろう。ユミコは自己中心的な性格だ。私やほとんどのクラスメイトは、それを、リーダーシップがあると勘違いしてしまっただけ。いや、勘違いではない。実際リーダーシップはある。同時に、わがままで、自己中心的でもある。
私はユミコの口から出てくるゾワゾワするような言葉に、曖昧に首をかしげるしかなかった。私はいつもこれでやってきた。相手からすれば物足りない反応なのかもしれない。でも、嫌われて突き放されるほどでもないから、これがいいのだ。
早く、チャイムが鳴ってくれないだろうか。次の授業はロングホームルーム。何をする予定だったか。ユミコの話を聞き流しながらぼんやりと考えていると、教室のドアが開き、先生が入ってきた。チャイムはまだ鳴っていないけれど、クラスメイトたちは各々の席に散らばっていき、私もそれを見て同じようにする。
ロングホームルームでは席替えが行われた。先生が事前に作ってきた表が学校用タブレットに送られてきて、それを見て、机をガタガタと移動させる。表を拡大し、私の名前を探す。右から左へスライドして行ったら、すぐに見つかった。廊下側の1番後ろ。前の席はまあまあ仲の良いクラスメイトで、安堵しながら隣の席にある名前を確認する。
「高杉直子」
そう書かれていた。
教室に、机が一斉に動くうるさい音が溢れる。言葉にするなら、ガタガタか。しかし「ガタガタ」よりもっと不鮮明でこもっていて、耳の奥で暴れるような音だ。
クラスメイトが机を動かし終え、この時間は自習になった。1人で机の上で完結する静かなことのなら、何をしてもいい、ということだ。私は数学の課題を解きながら、時々隣の席に視線をやった。
高杉直子は、やはり本を読んでいる。ページをめくる音が、数分に1回聞こえてくる。
放課後は、ユミコと数人の友人とカラオケに行った。高杉直子は無論、来なかった。