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宮廷(ゴミ)使用人、頑張ります!④新しいお仕事
「え、経営不振?」
「そうだ。だから柚葉、宮中で働いてくれ」
それが、すべてのはじまりだった。
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柚葉は…とある食料販売店で生まれた。
宮中お墨付きの店であったため、よく豪華な服を纏った使用人たちがやってきていた。
「おとーさん。あのひと、すごいきれいなおようふくきてるね。ゆはもきたーい」
「ごめん、柚葉。無理だ…」
「え〜…」
カルテミア王国は、カタカナで西洋風の名前がつけられるのが多い中、柚葉が漢字の名前&和風?なのは母が日本人であったからだ。
そして、少し大きくなった。ニュースが見れるようになり、学校から帰るとしょっちゅう見ていた。
「柚葉。今日の宿題は?」
「テレビをみるー」
「ウソつけ」
最近のニュースは、女王の失踪ばかり。あーあ。つまんない。
柚葉はテレビを消した。
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「柚葉!」
「なに〜…?」
柚葉、15歳の春。
「コーテリア様が、ここではない販売店に切り替えた!」
「え」
持っていた鉛筆が手からポロっと落ちる。
それから、数日後。宮中の使用人になることが決まった。
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「あなたの働きぶりを、実は防犯カメラで見ていたの」
湯豆腐店にて。その湯豆腐店で働く女性は、生死不明だったマリカ女王であった。
「では、今から電話をかけるわ」
そして、奥へとそそくさと去っていった。
カウンターで待っていた柚葉にも、電話の会話はハッキリ聞こえた。
「皆の者、よく聞け!我はマリカだ!!」
「ま、マリカ様?!生きていらしたのですね!そ、それで、ご用件は…」
「これを王に伝えたまえ。**柚葉さんを、ハンナ妃の使用人にせよ!**」
ハンナ妃———今の女王だ。
ただ、体が弱っていて他の使用人でも手に負えないそうだ。
※全部盗み聞きした。絶対マネはおすすめしない
「それに彼女は、食料販売店の娘だ。衛生面、そして食事の面にはすごく詳しいであろう。そして、コーテリアの伝えろ。**柚葉さんをいじめるな!**」
ツー、ツー。
しばらくして、電話は終わった。
「柚葉さん、あなたをハンナ妃の使用人に任命する」
「え、えええええええ?!いきなりそんな重役は…」
「そなたならできる。そして、今までの雑用係から抜け出せるぞ。給金も相当あがるし、ハンナ妃のことに専念できる。どうかい?」
「い、いいかも…???」
翌日。柚葉のすむ場所、勤務先、食事が全て変わった。
そして、ついにハンナ妃との初対面…!
ガチャ
「え、ハンナ…様…??」
次回!
ハンナ妃に思った以上の異常?
そして、さっそく柚葉ピンチ!
コーテリアも…?