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カーテンコール3
ヴぇヴぁ
下手です許してキャラ崩壊許して
絶え間ないおしゃべりがどっとあふれる中、出された食事を平らげると、長髪の、西洋のお姫様のような格好の人がにんまりと笑ってこっちを見ていた。
「どうです?」
ご飯のことかなと思って、もくもく口を動かしながらうなずくと、またにんまりと笑った。「うひひ」
さみしくない、それだけでこうもご飯がおいしいものかとうれしくなった。お父さんがいないときは一人ですからね。
食器を重ねて洗い場にもっていき、「お先に失礼します…」そっと部屋に戻ろうとしてふすまに手をかけると、ガシッと右手を握られ、思わずびくりと肩を震わせた。
「もどりかた、わかる?」
ふわふわの水色の髪からぶわっとしらない甘いにおいを漂わせて、ずっと距離を詰められた。
「わから、ないです」
「だよねぇ」
うぱさんは周りの人たちにじゃあと手を挙げて、そのまま手を引かれる。いつのまにかぱかりと口を開いたようなふすまにさっと入って閉めると、あの騒がしさがぱっと消えた。
それからわるびれ…いや、恥ずかしげもなくするりと指を間に絡ませてきて、どうしても甘いにおいが鼻につく、きゅっと顔をしかめていると、うぱさんに顔を覗き込まれる。
吸い込まれそうな青色が目に入るたび、なんともいえぬ恐怖感がぞわりと背を這う。
自分はとんでもない場所に足を踏み入れてしまったのではないか、普通ならきっとこう思う、どうにも私は、深い優越感と、やさしい満足感以外のほか、特に何も感じなかった。
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寒い廊下から部屋に入ると、あったかい空気に迎えられて、すこしこわばった心がほどけていった。第一の原因といえばうぱさん。まるで横からにらまれているようで、少し怖い。
「…紹介しなきゃねぇ」
どかっとベットにすわって、ぽんぽんと隣をたたく。できるだけ静かに座ると、重みで少しうぱさんのほうへ傾いた。
それからまるでお経のように様々な名前や性格を聞いた。口癖や好きな食べ物。いろいろメモに取った。きっと、これで覚えれるはずです。
しばらくこちらを見つめてきて、なんだろうと小首をかしげると、うぱさんがばっと立ち上がった。そしておもむろに手を取られ、初めて劇場のドアを開けたときのような、軽やかなステップ。くるくる回って、止まって。初めてなのに、足も完ぺきに動く。
「どう?上手だった?」
「ええ…とても」
「そりゃよかった」
一度見つめあっていると、笑いがこみあげて、小さな爆発を起こした。ひとしきり笑って、しばらく踊って、なんだか疲れて。はあと息をついていると、そっと手を差し伸べられる。
「もう一曲いかが、お嬢さん」
きらりと笑ってそう言った。
「…よろこんで。」
うん
😘