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肉塊
久しぶりの執筆すぎて支離滅裂です多分……
グロいので気をつけてください。
もし。
もし、この世で1番大切な人が。
何かの罪を犯したら?
僕は―
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「|絢斗《あやと》ー、ご飯できたよ〜」
「はーい、今行く!」
2階の自分の部屋で過ごしていると、姉さんの声が聞こえてきた。
優しい、ふわふわした声。
僕はその声が大好きだ。
急いで1階に下がり、手伝いをする。
「今日は唐揚げだよ〜」
「まじで!?やった!!」
姉さんの作るものはなんでも美味しい。
準備が終わり、席に着く。
「「いただきます」」
他愛ない話をしながら橋を進める。
この時間も大好きだ。
「それでさ〜w」
「え〜?w」
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食べ終わり、片付けも終わらせる。
2階に上がって宿題を終わらせた頃に、姉さんの声が聞こえた。
「絢斗、お風呂湧いたから先入ってきてー」
「はーい」
そのまま僕はお風呂に入った。
何も疑わずに。
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お風呂に入る前、ふと気づく。
シャンプー切れてる……
幸い、服は脱いでいなかったので、そのままシャンプーの場所を姉さんに聞きに行く。
「姉さん、シャンプー切れてた……」
「………………え、?」
なんで。
信じたくない光景が、目の前に広がっている。
「ねえ、さん………?」
血溜まり。
知らない男。
傷。
穴。
包丁。
包丁を持っているのは
「あ………あ……っ」
姉さんがその場に崩れ落ちる。
目から水が溢れ出す。
「違うの……これは……っ」
「なんで……」
泣き崩れる姉さん。
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〜咲良side〜
私が刺し殺した男は、私の元彼だった。
しつこくて粘着質。
付き合った当初はそんなこと知らなかった。
告白されて、顔と性格が良かったから付き合った。それだけ。
次第に私も忙しくなって、別れを告げた。
それだけだった。
アルバイトも安定してきて、就職も考えなければいけない時期。
私はあろう事か、ストーカー被害にあった。
無言電話、尾行、どこからか感じる視線。
怖かった。
弟に相談できず、ストレスばかりが溜まっていた。
今日、綾人がお風呂に入る前。
インターホンが鳴った
ドアを少しだけ開けたのに、ぐいぐいと強引にドアを開いてきた。
間違いなく、元彼だった。
彼はにたにたと笑っていた。
手にはスタンガンがあった。
「元気そうだね、僕が居なくても」
「なんで僕を捨てたの?僕は君のことまだ好きなのに」
「っ、」
「何の用で来たの?」
指先が震えた。
「いやぁ、また君と過ごそうと思って」
「弟君に用があってきたんだけどな」
とてつもなく、嫌な予感がした。
漠然とした、ただの予感に過ぎないけれど
綾人は
綾人は、守らなくちゃだめ
気がついたら、私は手に料理包丁を持っていて―
そのまま腹に刺した。
呻き声がしたが刺し続けた。
静かになってから、ふいに現実が見えた。
私は今、この手で人を殺したのだ。
元彼は今、床で動かない肉塊となっている。
そして、綾人の絶望したような声が聞こえる。
あぁ、もうだめだ。
なんで私は、うまくやらないのかなぁ
なんで私は、っ
「綾人、こっち来て」
「な……なに、?姉さん」
怖がりながらも、綾人はちゃんと近くに来てくれる。
「ごめんね、こんな姉で」
「だいすきだよ、綾人……」
「僕も姉さん好きだよ?」
「ありがとう……」
涙でぐちゃぐちゃの私の顔。
もう全部、終わらせなきゃいけないの
ごめんね、綾人
こんな姉で……
その時だった。
確かに刺した感触のあったのに、
拳銃で、綾人が撃たれたのだ。
スローモーションの映像を見ているかのようだった。
ゆっくりと、でも確かに綾人は後ろに倒れて
ばたん、と音がした。
その音で私は我に返り、狂ったように男を刺し続けた。
ぐちゃぐちゃぐちゃぐちゃぐちゃ
血が垂れる
皮膚がちぎれる
四肢がばらばらになる
顔がなくなる
目が潰れる
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そこまでして、ようやく我に返った。
「綾人、っ」
明らかに即死だった。
ぴくりとも動かない綾人。
さっきまで元気だったのに
一緒に話してたのに
笑ってくれたのに
こうなったのは、全部全部全部全部私のせい。
「ごめんね―」
今、そっちに逝くから。
私は迷いなく、自分の頭に向けて拳銃を撃った。
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「なんだ、これは」
近所の人間から、隣に怪しい男が入って、女の子と揉めていると通報を受け、駆け付けた。
現場を見た時、言葉を失った。
頭に穴が空いている男児。
その子を抱きしめるように横たわっている、女性。同じように頭に穴が空いている。
そして、もう何かも判別できない《《肉塊》》。
今まで見た現場の中で、1番の酷さだった。
いったい、どれだけの事があったのか
私には分からない。
やっと書き終わった……
2003文字です。