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第三出動 ー 共闘 ー
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理解不能…いや、理解はできるが理由が分からない今の発言に
顔をゆがませてしまう。
〇 「あぁごめんね 急に。」
〇 「ちょっと今はマナが忙しくてさ、代わりに僕が依頼に来たわけさ」
そういうことかと偽善上では受け入れたかのような対応をする。
「じゃあ今回はどこで?」
部屋を一周歩き回るように、移動していくその生命体を眼だけで追いかける。
と、その足を止めずに、それは答えた。
〇 「今回は絶景ケ丘だよ。絶景で有名な。」
「あそこは人が多いから、なるべく早めで頼むよ。」
小さく息を吐いて、ズボンのポケットに入った石ころを指でなでる。
「わかってますよ。じゃ すぐいけばいいんでしょう?」
〇 「ああ なるべく早くね。よろしく。」
その会話を最後に家を出る。
そういえば悪魔のランクをきくのを忘れたことに気づく。
まぁ、コビウリさんも武具の試験中なのは把握済みだかろうから
そこまで高ランクではないだろうと、自負する。
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〇絶景ケ丘
相変わらずこの丘は、人気スポット以外はやたらと霧が濃くて、
酸素が薄い。
標高が高いというのも困りものだ。
まぁそんな場所だからこそ、悪魔の巣穴になっているのだろうが。
早速、悪魔の捜索を開始するー と、
五分もしないうちに、見つかった。
ここの木は ――
「__それぞれが悪魔か。__」
チッ
大勢か、それぞれは弱いが、数が多いと時間がかかるし、何よりめんどくさい。
ちゃっちゃと終わらせよう。
とは意気込んだものの、持久戦だ。
魔法ではなく、剣… この木たちは物理攻撃が効くのか?
木だから剣は効きそうだが… 堅そうだな。
とりあえず 物は試し、と切ってみることにした。
彼は石―― アニマラピス をかざし、手の上へと持ってくる。
そして、その石からでた影に包まれ、変身する。
そうすると、持ってきた剣を大きく振りかざし、木の幹を思いっきり一直線に 断つ。
と、木は綺麗に切れ、まるで木こりに切られたかのように滑り落ちて倒れた。
とともに、悪魔は消滅し、もとの気に戻る。
「切れたのはいいが、、やっぱりめんどくさいな…」
「体力が持つか…」
とはいいつつ、再度 剣を握り直し また木を伐りはじめる。
剣に魔法をまとわせることもなく、ただ淡々と過ぎていく作業に過ぎないように思える。
魔法少女とは思い難い、実に地味な光景だ。
「…この剣切り味いいな。前より良くなってる。」
?? 「おまえ… 剣の切れ味なんてわかったのか?」
うわ… めんどくさいのが来た。
ある少女が気の上に立っている。
「なんでお前がここにいるんだよ」
「”りづ”」
すると、りづは嘲笑しながら、こういった。
りづ 「私は依頼されたんだよ」
言い方にむかつきながらそれを顔に出さまいと言い返す。
「こっちだってそうですけど」
するとりづは思っていたのと違ったのか、少し浮かばないような、
つまらないと思っているような顔になってすぐに変身した後、
木からおりてきた。
りづ「つまり、コビウリさんは私たちの共闘をお望みということで」
”共闘” 僕はこういうの嫌いなんだがな…と思いながら
りづに背を向ける。
「さっさと片付けるぞ。」
りづ 「お前はそっち側な?」
……こいつ仕切りやがって。
ムカつくことを隠しながら敵の方へと向かう。
「じゃあお先にいかせていただきます。」
りづ 「はっ?!おまっちょっ」
そう慌て、遅れながらも、りづも敵に立ち向かっていった。
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りづ 「ふう……やーっと終わった!」
意外と時間がかかったものだ
こんなの魔法を使えば一瞬だというのに。
やはり面倒くさいことを引き受けてしまった。
と 2度目の後悔をする。
が、そんなことをしても意味がないとすぐに理解するため
その時間は一瞬だ。
さて 帰るか、 と思い足を持ち上げたタイミングで、誰かが急に現れた。
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