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第一話
【前回のあらすじ】
とある雪山で満身創痍で意識を失った少女。
そんな彼女を救ったのは、不思議な3人で…!?
そして数日後、とある屋敷で、
その少女…「|神月《こうづき》 |沙雪《さゆき》」は目を覚ます…。
沙雪「ん…んぅ…?」
あれ…?私雪の中で倒れて…そのまま気絶して…
沙雪「…ここ…は…?」
私は和室のような部屋で寝かされていた。
床は畳で、いい匂いが鼻をくすぐる。
明かりはどうやら照明ではなく、|行灯《あんどん》が使われているようだった。
しかし、寝たままでは部屋の様子がよくわからなかった。
右手を見ると、綺麗に包帯が巻かれていた。誰かが治療してくれたのだ。
私はとにかく状況を確認しようと考えて、ゆっくりと体を起こ
**?1「お!目ぇ覚めたか人間!!」**
**沙雪「きゃあああぁぁ!!?」**
突然耳元で大声を出され、私は飛び起きた。
が、足の痛みで思わずうずくまる。
?3「なになにどうしたの!?って人間さん!?大丈夫…!?」
?2「ようやく起きたか。」
沙雪「え!?え!!?な、なに!!?!?」
私が驚いたのも無理はないだろう。なぜなら……
--- 私の目の前にいる彼らは、明らかに人間ではなかったからだ。 ---
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まず、寝起き早々大声で話しかけてきて、ずっと笑ってる彼。
目がキラキラしていて、先程の声に負けないほど主張が激しかった。
彼は見た目こそ人間だが、頭には小さな帽子(|頭襟《ときん》と呼んだはず)をかぶっていて、
高さがある下駄を履いていて、服装はまるで山伏のようだった。
そして何より……背中から黒く大きい翼が生えていた。
彼の姿は、まるで……まるで…………`天狗`のような見た目だった。
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次に、少し子供のように見えて、もう一人の後ろから顔だけ出している彼。
彼は背丈が小さく、年齢は10歳ほどに見えた。
しかし、人間とは決定的に違う部分があった。
彼の腕には、鈍く美しく光る緑色の鱗が付いているのだ。
子供のように小さい手には、恐ろしいほど鋭い爪がついている。
そして、頭に枝のようなツノが2本生えていて、
体の後ろから、鱗に覆われた大きく固そうな尾が見え隠れしていた。
彼は…まるで小さな`龍`のように見えた。
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次に、この中でもかなり冷静で、少し近寄りがたい雰囲気の彼。
彼は、他の二人とは違ってかなり大人びていて、濃い紫の着物がよく似合っていた。
目は少し細く、不思議と緊張感が湧く。
しかし、そんな彼の頭には、まるで狐のような大きな黄金の耳がついていた。
そして背中からは、耳と同じ黄金の毛並みの九つの尾が見えていた。
尾の先には、それぞれ青い火が灯っていた。
彼は、昔話で見たことがある、`九尾`と呼ばれるものにそっくりだった。
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天狗「ようやく起きたかー!お前丸三日寝込んでたんだぞ!」
龍 「ちょ、ちょっと…!声量下げてよ!人間さんびっくりしちゃうでしょ!」
沙雪「え、ぅえ!?な…なに!!?何が起こってるの!!?ゆ、夢!!!?」
龍 「ほらもう!に、人間さん…!だ、大丈夫だよ…?」
沙雪「ぅわあぁ!!!ごめんなさいごめんなさい夢なら覚めてぇぇ!!?!」
「!!!?………っっ…」
龍 「うわぁ!び、びっくりしたぁ…!に、にんげんさん!そんなに怖かった…?」
九尾「あまり騒ぐな。傷が開くぞ。」
龍 「!?ね、ねぇ…!!傷開きかけてる……!!」
沙雪「……………っ!」
天狗「うっわマジかよ!!?俺救急箱とってくるわ!!!」
九尾「ーー、布を取ってくれ。」
__龍 「う、うん…!!」__
__天狗「ーーーー!ーーー!!」__
__九尾「ーーー。ーーーーーーーー。」__
---
沙雪「はぁ……はぁ…………ふぅー…」
九尾「落ち着いたか?」
沙雪「は…はい……」
龍 「よいしょ…人間さん、お茶どうぞ…!口に合えばいいんだけど…」
沙雪「あ、ありがとうございます……」
「……………あ……あの…………」
九尾「なんだ?」
沙雪「…………あなたたちは一体……?」
天狗「そーいや名乗ってなかったなー。俺は**|天舞《てんま》**だ!」
龍 「ボクは**|竜翔《りゅうと》**だよ。よろしくね…!」
九尾「**|火影《ほかげ》**だ。」
沙雪「…私は…**神月沙雪**です…」
火影「沙雪…か。」
竜翔「そっか…あ…あの…『沙雪さん』って呼んでいい……?」
沙雪「ぅあ……あ…『沙雪』でいいですよ…」
竜翔「…!沙雪ちゃん……!」
沙雪「……………/////」
「………あの……」
天舞「なんだよ?」
__沙雪「……あなたたちって…人間じゃない…ですよね…?」__
天舞「あー…やっぱ気になっちゃう〜?種族聞いちゃう〜?」
どこか楽しそうに、彼は自分の種族を名乗った。
天舞「沙雪!!聞いて驚け!!俺は`大天狗`だ!!すげぇだろ!!?」
沙雪「だ、大天狗ってあの……!!?すごい……!!」
竜翔「ボクは、まあ名前の通り龍…詳しく言うと`緑龍`だよ…!」
沙雪「龍なんて初めて見た…」
火影「私は見て通り、`天狐`だ。」
沙雪「…?九尾じゃないんですか……?」
火影「………………(ムッ)」
竜翔「九尾と天狐は似てるけど違うんだって…(ヒソヒソ)」
沙雪「はぁ…ご、ごめんなさい……」
火影「…別にいい。今までに数え切れないほどに間違えられているからな。」
そうなんだ……
いや、そんなことよりも……
沙雪「………………………」
火影「………『なぜ私を助けてくれたのか』だな?」
沙雪「ふぇ!?なんでわかったんですか!!?」
火影「天狐は千里眼を持っているからな。生き物の思考くらい読める。」
__沙雪「………はい。なんで私なんかを……………」__
天舞「おーい!!ネガティブやめろよー!!」
竜翔「あの人が『山で怪我人が迷ってるから助けてあげて』って言ったからだよ!」
沙雪「……?『あの人』って……?」
天舞「まー、俺らのリーダー?ボス?みたいなもんだよ。」
沙雪「……どんな方なんですか…?」
火影「………我らとは比べ物にならない強さを持つ人だな。」
天舞「お前の態度次第では、お前消されるかもなー。」
沙雪「ぅえ!!?う…うそ………」
竜翔「んもぅ!!沙雪ちゃん怖がらせないでって!!」
火影「消されることはないだろうな。__できないだろうし。__」
沙雪「え?何か言いました?」
火影「いや。しかし、一応覚悟はしておけ。鼓膜が破れぬようにな。」
沙雪「!!?そ、それってどうい
__スーッ…__
天舞「お!噂をすれば…!!!」
竜翔「あー!おかえりー!!」
火影「遅かったじゃないか。」
沙雪「!?」
--- い…一体どんな人なんだ……? ---
---
第一話 〜完〜
こんにちは、「読書が好き🍵」です。
連載小説、記念の第一話です。
うまくできているのでしょうか…
時間があれば小説以外で彼らの紹介をしていく予定です。
アドバイスや感想、リクエスト等があれば、ぜひ教えてください。
では、またどこかでお会いしましょう。