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クッキーは美味しかったらしい
豆腐
初投稿!
たぶん、気づかないうちに目で追っていた。その言葉や仕草でソウルが高鳴るようになってしまった。目があっただけで顔が赤くなる。叶わなくていいから、少しでも近づきたい。でも、少しだけ欲張れるなら俺は、アイツと特別な関係になりたい。
「今日の仕事は、ここの世界に行って壊すことだ。別に殺してもいいし、殺さなくてもいい。いい感じに壊せたら、俺に報告だ。」
ナイトメアが指令を出す。今日の世界は昨日より難しそうだ。
「ねーねーボス〜。今日は何人で行けばいい?」
「そうだな…今日は3人ぐらいでいいんじゃないか?」
「オッケー」
3人か、2人は行かなくていいのか。
周りを見渡すと、申し訳なさそうな顔をしたクロスと目が合った。
「あの…先輩達には悪いんですけど、今日は外せない用事があって…」
ああ、そういうことか。
「まぁ仕方ないよね!じゃあ次はちゃんとやってよ」
「もちろんです」
残された4人を見渡す。
「今日は俺パスな」
「へぇーエラーが…珍しいね。今日なんかあるの?」
「今日限定のチョコを買いに行く」
なるほど、エラーはチョコが好きだもんな。
「え、ほんと!僕の分も買ってきてよ」
「断る」
「頼むよ〜」
このままじゃチョコを買いにいけないと悟ったエラーは短く舌打ちをして言った。
「しかたねぇな、二つ買ってきてやるよ」
「ありがとうエラー!」
エラーはキラーの言葉を聞く前に行ってしまった。
「じゃあ、あとの2人は…」
これまで無言だった俺とマーダーに目を向ける。
「もちろんこれるよね」
…何か圧のようなものを感じる。
「まぁ、行ける」
「…行く」
マーダーはこちらの方を見ないで言った。
「よし、それじゃあレッツゴー!」
ついた世界はみんな笑顔で過ごしていた。笑顔のはずなのにすこし不気味な世界だった。
「おお、たくさん|モンスター《EXP》がいるねぇ」
キラーがとても嬉しそうに言う。
「僕はちょっと行ってくるから、2人でなんかやっといて」
そう言うと、こちらの返事も聞かずにどこかへ行ってしまった。
…気まずい。マーダーと話したことがないわけではないが、特に話すこともなくただ時間だけが過ぎていく。
どうしようかと悩んでいると、意外にも向こうから口を開いた。
「おい、さっさと行くぞ」
「あ、ああ」
元々俺は殺すのが好きではないので、適当に建物を壊していく。
マーダーは何やら骨を飛ばしている。なんかグロい。
建物を斧で壊しながら、少し考える。最近、何かがおかしい。多分、原因はマーダーだ。どんなところがおかしいのか、それはたくさんあるけれど、俺を悩ませてるのはこれだ。ずっとマーダーのことを考えてしまうのだ。他にも、マーダーを見るとソウルの鼓動が早くなったり、他の人と話しているのを見るとモヤモヤしたり、一緒にいるだけで嬉しくなったりするのだ。やはり何かの病気かもしれない。ただ身体にはあまり影響がないから、この手のことにきっと詳しいであろうドリームに相談してみよう。
「…そろそろ帰るぞ」
「ああ」
もう、終わってしまった。まだ、もう少しだけ一緒に居たかったけど、仕方ない。
「…とまぁこんなわけだ。」
俺は今、ドリームのとこにいる。理由はもちろん相談するためだ。
「…なるほどね」
ドリームにこれまでのことを話すと少し考える素振りを見せた。
「多分、コレはある病気だね」
やっぱりか、と心の中で呟く。
「それはどんな病なんだ」
すると、ドリームは少し困ったような顔をした。そこまでヤバい病気なのだろうか。
「これはね、恋の病だよ」
コイノヤマイ。聞いたことのない病気だ。
「それは、どういうことだ?」
「えーと、つまりね!ホラーはマーダーに恋してるってコト!」
鯉、濃い、こい…恋?
少し深呼吸をする。
「俺は、これからどうしたらいい」
「うーん、アピールしてから告白するとか?」
アピールか、…
「やってみる」
「えっ本当!」
「じゃあ、今日は助かった。またな」
「え、ちょっと待っt
アピールをマーダーにすることになった。アピール、何をしたらいいんだ?
うーん、近くに寄ってみるとか?
よし、早速やってみよう
急いでアジトに向かうと、リビングでコーヒーを飲んでいるマーダーがいた。
マーダーの座ってる椅子に近づき、できる限り近くに座る。
「ん?なんだ」
肩がくっつくくらい近くに座っているため、すごくソウルが高鳴る。
顔を真っ赤にして動けない俺を見てマーダーは
「コレが欲しいのか?」
と近くにあったクッキーを俺の口元によこす。とりあえず、必死にクッキーを食べていると
「欲しいならそう言え」
といい延々とクッキーをよこしてくる。嬉しいけれど、そうじゃない。
ふと窓を見て、はぁ、とため息を吐く。口の中のクッキーを落としそうになり慌てて口を閉ざす。
たぶんこのクッキー、食べちゃダメなやつだ。チョコチップのクッキーは確かエピック用のクッキーだ。
まぁバレなければいいか、と思いクッキーを食べる。
次は、どんな作戦を立てようか。
後日、エピックに2人で怒られたそうです。