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ドラゴンの種は強い
マレウスが卒業してから三年。エース・トラッポラと名乗る男が王城の門前まで来たらしい。
マレウスはすぐに自室に通すように、門番に命じた。
三年ぶりに見たエースの腹は、マレウスの期待通り、膨らんでいた。
「最初は太ったのかと思ったよ。実際はもっと最悪だったけどな。気持ち悪いのが続いたあたりで、なんかおかしいって思って、病院で診てもらったら……腹ん中で、卵が作られてきてるって」
「順調そうでよかった」
「やっぱりアンタだったのか!」
ドラゴン族の精子は強い。三年間、エースの腹の中で生き続け、つい先日に妊娠が発覚したようだ。
「卒業をきっかけに別れるなどと言い出すから、確かなつながりを結ばせたかった」
三年前に蒔いた種が無事に結べて、マレウスはホッとした。