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カーテンコール1
キャラ崩壊注意……
住宅街の間の塀を登ったり降りたり…猫みたいにかけてのぼってを繰り返した。山の麓についたとき、一息ついてから思い切り駆け上がる。
その後はあまり覚えてない。それほど夢中だったってこと。
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「はぁ……っ……」久しぶりに動かす体は思い通りじゃなく、日々の運動不足というやつに祟られた
登った先、眼の前にあったのはつるが絡んだ変な建物。古びた看板と色とりどりのガーランド。
一層不気味だが、周囲からは変に肝が座った子と気味悪いと噂されるので怖いというよりとても楽しみというか……
あぁ、こういうことになると見境がなくなるんだ……もう日も落ちかけてるんだよな……
まあ心の声というのは思ってるだけでいいと思いますし……そう思って私は映画の主役みたいにバンッとドアを開けた。
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「……?」ずらりと並ぶ赤シートのかかった椅子の一番奥__。
ステージの上で一人の小さな子(私と同じくらいかな、14くらい。)がカツカツ靴を踏み鳴らして踊っていた。どんどん足を踏み鳴らしてその子に近づく。
興奮というので鼻息を荒くしてるのが自分でもわかるほど、ふんふんっみたいな「?」近くじゃわかんなかったけどつの?生えてる…見た目はポケモソって言うゲームに出てくるポケモソ。あれ丸っこくてかわいいんですよね……うぱーっって感じですね
水色髪でマリンガールの格好。頭には大きな帽子(真っ赤なリボンが付いてますね)を被ってこっちを見てる。そりゃバーンってドーンってドスドスきたら怖いですよね
まあ見た目は喋れなさそうな気がする……つのはえてるし……異世界人的な。
「うっ、うぱぁ」その子はにゃぐにゃぐと引きつった笑顔を浮かべた。えあ、ん?
「シャベッタァアアアアアアアアアアアア!!!」
喋った!?!?しゃべったたった!?「シャベルケドォォォ????」「オキャクサン?」「イヤチガウ」「ステージ、上がって」端から私の答えなんか待ってないみたいですね…ここは素直に上がっておきましょう。ハイドロポンプとかされたらたまらないですし……
登るとその子はにこにこと笑っていった「僕、ウパパロン、うぱさんとか、うぱちゃんとか、好きに呼んで、君は?」そういってうぱさんはずいっときょりを詰めてきた。「らてって言いますけど……遠慮無さ過ぎじゃないですか……」「まあ近いって言われるなぁ」青い宝石をはめたような目を伏せて、にやりとわらっている。
「らてさんからてちゃん、らて、どれがいい?」「あなたの好きにしてください……」「いやーんえっちー!」「は?」なんだこいつ。締め上げますかね……
「んじゃらてね、よろしくらて」ふとうぱさんが右手をドアの方向にぱっと振った瞬間、バタンと開けたよりも大きな音を立ててしま__は?
「今何しました?」
「鍵かけた」
「おい」
「末永くよろしく!」
「おいって」
「とりあえずお部屋、案内しようか」
「話聞けや」
「こっち!」
「おい。」
ぎゅっと手を握られた。ありえない力で、骨がミシミシと折れそうなくらいだ。「痛い痛い痛い!!!」ぱっとはなされた手と、思わず見つめたうぱさんの目は、深くて綺麗な赤い目だった。「君を待ってたよ」
そう言われた瞬間、どくりと心臓が大きく跳ねた。
どきどきするのは不覚ですけど、そんな私を気に止めないというのは流石に恥ずかしいんですけども……
「じゃあ、行こう」
そのあとはされるがままに、階段を引っ張り降ろされた。螺旋状の階段にはところどころランプが飾ってあり、その中ではゆらめく火が陽炎のように燃えていた。
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「らての部屋はここ!いいでしょぉ、僕がデザインしたし用意した、ウパパロン特注!!」
一人しかいないのになぜかある二段ベットに、あかあかとしたいかにも柔らかそうなクッション。
その横にはヒーター、勉強机にタンス、しいてあるカーペットは可愛らしく肉球の模様が描かれて、猫が乗った時計だとか、ちっちゃな冷蔵庫、本棚。その上にバカでかい紙袋。
「その紙袋はらての服ね、紙袋はあげる、冷蔵庫にきな粉餅が入ってるよ」好物をなんで知ってるのかはわからないがきなこもちに免じて許そう。
「じゃ、19:00までに着替えてほしいな……好きな服でいいよ、パーカーじゃ暑いでしょ、そのまんまでもいいけど」
「まあご厚意に答えておきますね…」
「やったー!楽しみにしてるね、部屋を出て、隣の部屋のしいなに案内してもらって、1分でも過ぎたら迎えに来る」
怖いのか嬉しいのかよくわからない感情になりました。まじでなんだこいつ。
そのあとは「じゃあねぇ」とのんびり言って出ていった。早速紙袋を覗くとパーカーやらTシャツやら……とりあえずいろいろ出して来てみた。オーバーサイズのTシャツはゆったりとしてるし、素材がいいのか着てて心地よい。
パーカーは今着てるのと同じだけど、裏起毛のようでふわふわとしている。服の他にも肌着やヘアゴム、ましてやピンまで福袋のようだった。
19時まで十分あるので、しばらく部屋を見ていた。クッションに座ってみたり(人を駄目にするクッションの意味がよくわかった)ヒーターを付けてみたり(あったかく過ごせそうですねぇ)本を読んだりした。が、最終的には部屋の端の紙袋に目が行った。
私一人入れそうな大きな紙袋。紙袋特有の柔らかで温かい匂いが鼻をくすぐって、心を鷲掴みにした。
「ちょっとくらいなら……」昔っから狭いところは好きだった。
宅配の段ボール、パン屋の紙袋をかぶったり、勉強机の一番でかい引き出しに入ったり、キッチンのシンク下で眠ったり。布団を軽く詰めて、やわらかな感触に脚を沈める。全身すっぽり入って、少しうずくまるとものすごい安心感に包まれた。何もかもうまくいくと、頭を撫でられるように。
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ごめんなさいほんと夢中に鳴ると長くなる病気にかかったんです1000文字じゃものたりないんです(((((
めめ村を見よう(布教