公開中
prologue
「今日の連絡は~…」
--- ザー…ザー…ザー… ---
教師の声と被って聞こえるのは、いつも雨の音。
産まれたときから「晴れ」を知らない私達。
雨が日常。雨以外の天気を見たことがなかった。
「~今日は、このクラスに転校生が来ています。」
「初めまして。柳瀬美紀です。」
これは、1人の転校生と私達による「晴れ」を求める冒険。
「私は晴れを知っている。別の地域から来たからね。」
「晴れってどんな感じ?」
「それは内緒。自分の目でみた方がきっと驚きが増す。」
「いや、今まで気にしてなかったけどさ、」
「うん?」
「あれ…なんだ?」
「…私達は、雨より晴れがいい。」
「だったら君たちが不思議がってるあそこにいけばいいじゃん。」
「だから、「美紀ちゃんも一緒に行こう」と言っているの。」
「いや、いますぐにでも引き返せるって、」
「ここここここまで来てひひ引き返すとかないからっ!」
「お前が一番ビビってる。」
「何…これ、ボロボロ?」
「お、近くにあるこのボタン押せば直るんじゃね?」
「いや勝手に押さない方がいいって危ない。」
私達の「晴れ」を求める冒険の結末は____。
--- 【雨が降り続ける街】 ---