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#2
※本小説は実在する女性VTuberさんの夢小説となっております。苦手な方はブラウザバックなどの対応をお取りくださいますよう、よろしくお願いいたします。
「ただいまー!」
学校帰り、午後の17時。あまりに暗く寒い外から、私はやっと自宅に戻ってきた。今日は用事があったので、学校が終わって直帰では無く、少し用事を済ませていた。
「あぁ疲れた。というか、寒すぎる……。エアコンつけよっと」
現在は十二月。この時期の外というのは、やっぱりどうも極寒だ。私の身体は芯まで冷え切っていて、今すぐにでも暖かくなりたい所だ。手洗いうがいの前に、リビングまで行ってエアコンをつける。やっぱりまだ、この部屋も寒い。肌が裂けそうだ。
「やっぱ最近の気候マジで終わってるわ……。こんな寒いとか思わなんだ……」
気温に対する小言を呟きつつ、洗面台で手洗いうがいを済ませる。流行り病がうつるのは本当に御免な話なので、やっぱり冬はこういう対策も重要だ。まぁ、冬じゃなくても一年中気を付けておくべきではあるのだが。
「ふぅ……。さて、着替えよう」
外行きの服を脱いで、適当に洗濯機に投げ入れる。あまりにも寒い。下着のみの一張羅になって、ひぃひぃ言いながらも服がある自室まで早足で行く。靴下も脱いだので、冷気によって完全に冷たくなった床に足裏を刺激される。もはや地獄かと思える具合の極寒に、私の肌は思わず鳥肌になった。身震いしながら自室に着く頃には、もう既にたじたじだ。
「ああ寒いー! 早く着替えなきゃ……」
早くこの寒さから逃げたい一心を覚え、全速力で服を着替える。ラフでありつつもこもこで暖かいルームウェア。そこに裏起毛のパーカーを羽織れば、先程まであった寒さは、完全に無くなっては無いが、多少はマシになった。少し落ち着きを取り戻す。
「はぁ……。死ぬかと思ったわ、本当に」
やはり寒さというのは、人間という動物にとって最大の天敵だ。玄関に置きっぱなしにしていたバッグを取りに行きながら、ふとそんな事を思った。そんな事を考えていながらも、この家の玄関は依然として寒い。服を着ていても多少は寒いし、靴下を履いていたって足も冷える。私はバッグを取ったら、すぐに駆け足で退散した。自室まで全力ダッシュだ。
「はぁ、寒いわ。……そろそろエアコン効いてきたかな」
ふと、リビングが全体的に暖まっている事に気付く。やっとエアコンが効き始めて、なんだかほっとするような気持ちになった。私が無言のままで居ると、エアコンのファンが回っている音だけが、部屋の中に溶け込む。その感覚が、どうにも懐かしいような気持ちになる。
「……ま、私に懐かしい日なんて無いけどね」
自室に移動しながら、寂しげな感覚に陥りつつ考える。
昔から家庭環境も、家以外の環境だって悪い中で生きていた私。そんな私は、ノスタルジーだとか、そういう気持ちを感じる事自体は出来るのだが、具体的にエピソードを思いつくという事が出来ない。だって、懐かしく温かい事だなんて、子どもの頃は全く経験していなかったから。まぁ、ここ数年は確かに温かいし幸せ。しかし、懐かしいという気持ちになるには、数年ぽっちではまだ早い気がする。そんなに懐かしくないのに、懐かしい思いなんてした事ないのに、懐かしいと思う。これはきっと、何者かに仕組まれた共通認識の思い出なのだろう。そう思っておく。
「……さてさて、暗い事考えちゃったわ」
いつも通りの自室に着いて、暗い考えを打ち消す。今日はそんな事考えずに、幸せを考えたい。
「ふふ、今日はせっかく……、これを買ったんだもん!」
じゃじゃん、と言わんばかりにバッグから物を取り出す。そう、私が取り出したのはすいちゃんのグッズだ。今日はすいちゃんの色々なグッズを買ったり受け取るために、寒い中外に出ていたのだ。
「はぁ、やっぱこのぬいぐるみ、グッズの中でもマジで可愛すぎる……!」
小さくて可愛いぬいぐるみ。本物のすいちゃんの可愛さとかがそのまま具現化されたような感じだし、何より実際にすいちゃんを抱きしめられるのが嬉しくてたまらないので、個人的にはすいちゃんグッズの中でもかなりのお気に入りだ。一年中売ってて、いつでも買えるのもポイント高め。
「やっぱこれいつ買っても可愛い! もうこれでぬいは七体目だけど、可愛いし自分のお金なんだから良いよね! よし、早速すいちゃん専用の祭壇に、これ飾っちゃいまーす!」
推しのグッズというものは、やっぱり買うとテンションが上がってくる。私はずっと作っているすいちゃん専用の祭壇に、今持っているぬいぐるみを優しく置いた。こうやって優しい力でそっとしないと、ぬいぐるみのすいちゃんが痛がっちゃう。ぬいぐるみにも、その子の魂が宿っているのだから。八百万の神みたいな思考だ。
「ふふーん、やっぱ可愛い! すいちゃん可愛い!」
時間とお金を掛けて作った、渾身の祭壇。そこには可愛かったり、かっこよかった、美しかったり、様々なすいちゃんが存在している。それを目の前にすると、私の語彙力はいつも大きく下がり続ける。すいちゃん可愛い、これぐらいの言葉しか出てこないのだ。それぐらい、すいちゃんは尊くて可愛いし、私はすいちゃんを愛している。
「よーし、今日はあとすいちゃんのペンでしょ、それに……アクスタも買っちゃった! ふふ、これが給料日直後の力よ……!」
バイトを何個も掛け持ちしたり、日々のポイ活を頑張ってやっと得た沢山の給料。こうやって得たお金は、大体自分磨きか、こうやってすいちゃんに対する推し活で使われていく。私はそれに満足していて、これからも最大限、この生活を続けていきたい。たまに私のお金の使い道について、金の無駄だと批判する奴も出てくるが、私はこれで実際に日本の経済を回しているし、税金に関する所とかだってきっちりやっているし、他人にどうこう言われたくない。人の事についてどうこう言う奴に対しては、いつも虫酸が走る。
私は、私の好きなように生きるし、私の物も努力も全部、好きな人に捧げていたい。
「……邪魔されなきゃいいな!」
さっき暗い事は考えないと決めた手前、私はネガティブな話題を振り切った。今は、すいちゃんのグッズの開封をして、幸せに浸っていよう。
「よし、まずはペンから!」
私事なのですが、今回は初めて予約投稿を使って小説を投稿してみます。この文章を書いている時は予約投稿の前、生活の中では就寝前です。そして次の午前9時に、予約投稿で小説が発射されます。なんだか楽しみ。投稿される時間に私は起きていませんから、同じ作品を掲載している他サイトには起きてから投稿しますね。
すいちゃんとの恋愛、いつになる事やら。私だってすいちゃんと恋に愛したくて夢小説書いてるんでね、その内この夢主ちゃんとすいちゃんは恋愛をしはじめます。まだまだ先は遠いように思えますが、どうかお楽しみに。