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フロジェイ(再投稿)
大幅修正
「チッ……オイ?上向けつってんだろ?」
真っ黒なアイシャドウを綺麗な奥二重の瞼にグラデーションになるよう、目の際まで小回りのきく筆で丁寧に馴染ませる。
「ああ!………すみません、ドライアイなもので」
ああ、ジェイドの綺麗な目からポロポロと涙が静かに溢れていく。ジェイドの目はオレと違ってすぅと惹きこまれるようなキラキラした目とは違うじっと見つめていたくなる深い瞳孔の光り方をしていてすごく好きだ。でもその瞳がいつもみたくキリッとした艶のある雰囲気からは想像もできないくらい稚魚みたいにうるうる、キラキラしていてすごくキュンとくる。いっそ目玉をくり抜いて口に含んで、噛み潰したい、そんな事を考えてしまうくらいにはジェイドが愛おしくて仕方がない。
「ハァ……もうぅ〜涙でてんじゃぁん………」
「ジェイドぉ?そんなに怖いんならやんなくてもいいんじゃない?」
「いえ!!大事な式典ですから!それにまだ入学してばかりでアズールも気合いが入っている事ですし、ね?」
「おねがいですフロイド、僕頑張りますので………」
それに僕は怖いなんて一言も言った記憶がありませんが?と、静かに威圧感を漂わせつつ持ち前の愛嬌のある可愛いニコニコ顔でねだられて思わずクスッと笑ってしまった。
「わかった、いいよ♡」
ふふふ、ありがとうございますって猫撫で声で心底嬉しそうに笑ってみせるジェイドには結局オレはいつも勝てない。
………
「よし!オッケー!メイクも服も髪もキマってる!!」
「はい!フロイドのおかげです!………だから、お礼に今夜はご馳走してあげましょう♡」
「!!わぁ〜ホントぉ?気分乗ってきた〜!!」
「フフフ……はいとびきりのを、」
「…ねぇ、それってエッチなやつ?……」
「いいえ!……自家製のキノコパスタと山菜とキノコのソテーと自家栽培したキノコと先週、山で採ったばかりのキノコをふんだんに使ったピザです!!^_^」
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はぁ?
「!?………サイッアッく!!もうジェイドなんか知らねえ、おいてく!!」
ちぇっつまんネェのとボソボソ呟きながら床を踏み鳴らすたび机の上の小物がかすかに揺れそのまま乱雑にドアを閉め部屋を後にした。フロイドの情緒はあっという間に荒れ果ててしまった様子に思わずため息が溢れた。
「おやおや、今頃寮生の方々やアズールに面倒が回っているかもしれませんね…………
でもこのままフロイドの雰囲気に呑まれて仕舞えば後が怖い……
僕にはまだ、あの傍若無人な番を飼い慣らすぐらいの器量が足らないようですね」
と、ひとり呟く部屋にはまるで音がない。だが、何故だろう今もこうして胸の中の音が鳴り止まずにいるのは。先程までのメイク道具が散らばった机の鏡には僕の片割れが顔を真っ赤にして、汗までかいていた。ニッコリとした表情はいつもの僕そのものだというのに。