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#10
--- 数日後 ---
車の中でどこかへ移動していた
「そういえば今日どこに行くんだ」
とルドがザンカに答えた
「俺が知るかよ」
「そうだそうだ僕ら20分前に起きたばかりなんじゃ__あぁ頭が回らん__」
と眠そうに答えるザンカとレイラだった
「お前らほんっとうに昔からかわんねぇな」
そう運転してるエンジンが言った
「え、そうなのか」
と目を丸く言った
「あぁ‘’特に‘’レイラはな!」
「はぁ!ふざけんなエンジンお前も大概やぞ」
「なんだと!」
「いつもだけどお前の部屋の向かい僕やけんいつもいびきうっさいねん」
「全然うるさくねぇわ!」
と喧嘩が始まった
「…レイラ明日カツサンド作ってやらんぞ」
そう言うとレイラは急に黙り込む
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とある廃墟
「お姉ちゃん、早く遊ぼぉヨォ」
幼さが残る見た目の男の子が、甲高い声で言った。
「久しぶりに会えたって言うのにさ」
男の子は不満そうに続ける。
「ねぇ、早く遊ばないと、君の大切な仲間が死んじゃうけど、いいのかなぁ?」
そう言って、男の子は無邪気な笑顔で後ろに立つルドを指差した。
「……お前に、こいつは殺されん」
レイラは低く、静かな声で応じた。
「こいつは『掃除屋』にとって、僕らにとって、逸材で大切な仲間じゃ」
その口調と、背筋を伸ばした立ち姿は、まるでザンカを彷彿とさせた。
「そっかぁ。じゃあ、その男の子傷つけたらどうする?」
その言葉がレイラの耳に届いた瞬間、彼女の中で何かが壊れる音が聞こえそうになった。途端、後ろから2人分の足音が聞こえてくる。
「こんなところにいたんじゃな」
「全くだな」
呆れ声と共に現れたのは、エンジンとザンカだった。
「何ぃ?お姉ちゃん、男まで作ってたの?」
「……?男?なんのこと?」
「お前、どんだけ天然なんだよ」
ルドが思わず突っ込む。
「うっさい、ルド!マジで一回引っ込んどけ!」
「はぁ!?ふざけんな!」
「……君の質問に答えるなら、半分そうじゃな」
ザンカが何かを考えるように顎に手を置き、呟いた。
「?お前らどういう関係なんだよ」
ルドが小声で詰め寄る。
「ん?ねぇザンカ、『男まで作ってた』の意味、何?」
「お前、ザンカと同い年だろ」
エンジンが呆れたように言った。
「お前ら、目の前に敵がいんだぞ!いいのかよ!」
ルドの叫びに、レイラは「あ、そうだった」と間の抜けた声を上げた。
「でもまあいいや。そこのお姉ちゃんにしか興味ないんだぁ」
男の子がそう言った後、ルドが叫ぶ。
「このクソガキ!」
「ルド、落ち着け。一旦冷静になれ。ここは教育係2人の動きを見とけ」
エンジンがルドを制止する。
「ん?教育係2人?どういうこと、エンジン?」
「ん?お前も一応、教育係だぞ」
「はぁ!?そんなん知らん!僕、エンジンとザンカが教育係なのはわかるけど、僕まで!?」
そう言うレイラに、ザンカは厳しい目を向けた。
「さっさとやらんと、明日のカツサンドはなしじゃ」
🔚