平穏な日に忍び寄る影

12月21日、媛幼共和国首都、高間市 私の、名前は池山世菜。媛幼共和国の海軍大臣であり、この国初の女性による大臣になった。 私が入閣した内閣は下倉内閣、成立は5月16日。下倉遊平さんが総理大臣で…あっ、ちなみにこの国には元帥閣下って言う人がいてその人の名前は、桑田淳郎閣下だよ。　 川藤泰智「池山、何してんだ？下倉首相が呼んでいるから行くぞ。」 この人は川藤泰智さん。私と同じ日に内閣に入閣しで陸軍大臣に就任した。 池山世菜「あっ、川藤さん。分かりました。」 〜首相官邸〜 コンコン 下倉遊平「どうぞ。」 池山、川藤「失礼します。」 下倉遊平「おぉ、君達か。まぁそこに座ってくれ。」 池山、川藤「ありがとうございます。」 下倉「さて、早速で悪いが2人に聞きたいことがある。」 池山、川藤「はい。」 下倉「最近の開戦派のことをどう思う？」 川藤「私としては、増えていると思います。空軍大臣の焔薙慶次郎が開戦派なので彼が抑えてると思いますが…」 下倉「……空軍大臣については更迭しようかと考えてる。」 川藤「それは、何故ですか？」 下倉「彼には、私の暗殺を計画したという疑いがある。まだ疑いの範囲ではあるが開戦派と繋がりがあるのは事実だ。」 川藤「……分かりました。ですが、そんなことをしてしまえば、首相の命が危ないのでは？」 下倉「私はこの国が平和になるのであればこの命など簡単に捨てられる。その覚悟だ。」 下倉「池山はどう思う？」 池山「私も川藤さんと同じですが、海軍では少し大きくなっています。」 下倉「と言うと？」 池山「まずベーン帝国と戦争するのは同じです。違うのは、ベーン帝国の同盟国、タウジ国とも戦争するべきとの声が上がっています。」 下倉「なんだと。彼の国は我が国ともベーン帝国とも友好関係を築いてる。それにもし我が国とベーン帝国で戦争が勃発した場合は不介入だ。何故その話が出てくる。」 池山「私の見解ですが、我が国は資源が致命的までとはいかないですが、少ないです。特に深刻なのが石油。タウジ国には石油が豊富にあります。それに鉄鉱石もおまけ程度ですがあります。ベーン帝国と戦争するにはまずタウジ国を制圧すると言うのが目的でしょう。彼らの中にはタウジ国の軍隊を脆弱とか言っていますが彼の国は先ほども言ったとうり資源が豊富です。ベーン帝国と戦争する前に敗北するでしょう。」 下倉「事態は深刻だな……」 池山「はい。海軍がこのような状態なので、陸軍にも少ないと思いますがいると思います。」 下倉「そうか……」 下倉「川藤・池山。」 川藤、池山「はい。」 下倉「君達に開戦派が暴走するのを止めてほしい。出来るか？」 川藤「首相の願いなら喜んで引き受けます。」 下倉「ありがとう。そして、我が国の平和は桑田淳郎閣下も熱望されている。必ず成し遂げてくれ。」 川藤、池山「分かりました。」 下倉「ありがとう。時間を取らせてすまなかった。帰っていいぞ。」 川藤、池山「失礼しました。」 〜圖慶市のとある居酒屋〜 川藤「池山、本当か？あの話は。」 池山「はい。本当です。川藤さん。」 池山「海軍はもう手遅れの状態に一歩リードしているようなものです。」 川藤「そうなのか……」 川藤「第1次下倉内閣。それは戦争することの否定と、国家の永久的平和を実現するために成立した。」 川藤「しかし、そこに影が忍び寄っている。ベーン帝国やタウジ国の戦争とか、下倉首相の暗殺だとか、馬鹿馬鹿しい。しかもそれを望んでいるのは自国民や若い将校だ。トーチランド公国との戦争を皆は忘れたのか？」 池山「この国が成立して、初めてのガス攻撃、戦車の登場、さらには空母が出てきて死者は役数百万人ですからね……」 川藤「あぁ、だから俺たちは開戦を否定し平和を享受する。」 川藤「池山。」 池山「はい。」 川藤「必ず成し遂げよう。」 池山「分かりました。たとえこの｜命《たましい》が消えても。」 ？「何か言ってるな。だがもう遅い。池山世菜海軍大臣、川藤泰智陸軍大臣。あなた方がいる内閣は必要ない。明日、その内閣は崩れるだろう。」