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3.食えない細胞
まだ仰いでいる。
「…翔太くん!」
「お、結衣じゃん!」
好いてくれる。まだ。
「ねぇ、サウナ行きませんか?」
「う…実は、仕事がまだ…」
「仕事と私どっちが大事ですか!)))」
「仕事がないニートでも好き?」
「…収入源が私になりますね。」
「なんで???」
「うぅ…仕事が翔太くんすればいいに。」
「とりあえず、サウナは明日休みだから!行こ?」
「…はーい…」
約束ができたのはまぁいっか。
__
「あ、ゆきのさん」
「…足立さん。」
「お話いいですか?」
「めぐろさん、翔太くんと馴れ馴れしくて。」
「…情報どうも。」
「あと、めぐろさんが、むかいさんとハグしてました。」
「!!!!!、ありがと…すぐ行く。」
ゆきのさんはドス黒い。
私なんかゴミのよう。
ゆきのさんはめぐろさん一筋。
私なんか。私なんか。
『ーーーーッ!ーーーーーーーーーーー!』
『ーー…ーッ…』
面白くなさそうな声が聞こえる。
走る音が聞こえて、ビンタ…頬の叫び声が聞こえた。
ゆきのさんって、ちょっとやりすぎなんだろうね。
「…あ、結衣…っ…」
今にも泣きそうな人が、私の目の前に現れて笑顔を保っている。
「…どうしたの、翔太くん。」
「っ…なんでもない、…」
「ばか、泣きそうなくせに。5歳児。」
「うるせ…」
ゆきのさんのことを止められなかった。
めぐろを庇えなかった。
こうじをケアできなかった。
…って、言われた。
私のしていることが、翔太くんの涙につながっていた。
「…うん、辛かったね。翔太くん。」
「だっで、だっで!!!俺が悪いの''、、!」
「ううん、全然悪くない。だって頑張ったのでしょう?」
「…う''ん、俺頑張っだ…頑張って、!」
「…舘が、舘…が、っ…」
「何、ゆっくり話していいよ?時間はたくさんあるし。」
「…俺、悪ぐない、のにっ''…!」
「うん、翔太くんは悪くないのね。」
「舘がっ、お前のやっでる、ごと、が…っ、違う、っで…」
「否定されちゃったの?」
「う''、んっ…」
「そっかぁ…成長しようとしてるんじゃない?」
「せ、いちょう…?」
「うん。だから、翔太は成長しようとしてるの。」
「成長…俺、頑張っでる…っで、こど…だよ、ね''?」
「そう。だてさんはめぐろさんとか見ててテンパってた。」
「舘が…っ?」
「そうだよ。だから、後でごめんねって謝りに行こうか。」
「うん''っ…」
こんなことしかできないのかなぁ。