公開中
箱入り姫は、愛されすぎて身動きが取れません!②
第2話:朝の着替えは、甘い罠?
「ふわぁ……。もう朝なの?」天蓋付きのベッドで、ちぐはが目を覚ます。
寝起きで少し乱れた髪、潤んだ瞳。その姿は、朝日を浴びてキラキラと輝く「国宝級」の宝石そのもの。
しかし、その瞬間。
「おはようございます、ちぐは様。今日も世界一お美しい」枕元には、すでに完璧な身なりを整えたレオンが立っていた。
そして、足音もなく現れたシオンが、シーツの端を優しくめくる。
「姫、まだ眠いですか? 俺が抱っこして洗面台まで連れて行ってあげましょうか?」
「な、何を言っているの! 自分で歩けるわ!」慌ててベッドから降りようとするちぐはを、今度はカイルが背後からふわりと支える。
「おっと、足元が冷えますよ。さあ、今日のお召し物はどれにいたしましょうか」大きなクローゼットが開かれる。
ちぐはは、いつものように自分でドレスを選ぼうとするが、3人の執事たちの「愛の攻防」が始まった。
「本日は公務がございませんので、こちらの肩が出るタイプを。ちぐは様の美しい鎖骨を、私だけが拝見したいので……あ、失礼。お肌を休めるためです」
(レオンが、独占欲を隠しながらドレスを差し出す)
「えー、レオンはセンスが固いなぁ。ちぐは様には、このフリルたっぷりのミニ丈が似合いますよ。だって、姫の綺麗な脚を隠すなんて、国の損失でしょ?」
(シオンが、悪戯っぽくちぐはの膝に指先を這わせる)
「お二人とも。ちぐは様は少し寒がりですから。こちらのシルクのロングドレスに、私が選んだストールを羽織っていただきましょう」
(カイルが、包み込むような笑顔で首元に布を当てる)
「ちょ、ちょっと! 三人とも近すぎるわ!」ちぐはの心臓は、すでにバックバック。
彼らが寄ってたかって着替えを手伝おうとするたび、指先が素肌に触れ、耳元で甘い声が響く。
(……これって、執事としては普通のことなのよね? 私が意識しすぎなだけよね!?)
恋愛超不器用なちぐはは、顔を真っ赤にしながら、今日も彼らの「寵愛」という名の包囲網から逃げ出せずにいた。