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気合いいれるぞおおおおお(フラグ)
…「なごみ山荘」とは。
バブル景気の影響でちゃちゃっとノリで建設され、バブル崩壊による不景気で忘れさられた、哀れな山荘だ。
巨大なロッジのような見た目をしている。
ホテルほどの大きさで、三階建て、部屋数二十一だ。…なぜ調べられたのかというと、ここが有名な肝試しスポットだから。
肝試しに実際に行った人のブログなどに、こと細やかに書いてあった。
…ちなみに、そのブログの投稿主いわく、「めっちゃ怖かった」。
本当に、私達だけで行っていいのか?と心配してしまう。なんせ、それの書き込みは多分大人だ。
まあ、こんな大人数なら…と安心してしまう自分もいて。
(何かあっても…みんながいる)
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なんやかんやで、入口付近まで近づけた。
長いこと放置されていたからか、雑草に邪魔されて、近づくのが難しかったのだ。
近くからみると、改めてのしかかるような恐怖を感じる。
(大丈夫…まだ、お昼だから……
でも、もし崩れたらどうしよう……?)
丸太で作られた柱は長年の雨で腐っているかもしれないし、床が抜けるかもしれない。そう思うと、肝試しとは別の恐怖を感じた。
今思えば、ここで帰っておくべきだったのかもしれない。
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「ドア、鍵かかってんなー…」
吉田先輩が不服そうに呟く。
「まあ、普通はそうだろうね…一階の窓が割れてるし、切らないよう気をつけてそっから入ろっか。」
相槌を打つのは峰先輩。そして、窓を見ると確かにほとんどが割られていた。
「よっ……と。」
「よいしょ」
「とうっ!」
「よっ…」
「…」
「…ふう、これで全員かな?」
個性の違いか、みな掛け声がバラバラだった。
そんなことよりも。
山荘の中は、予想以上に薄暗く、ジメジメとしていた。
辺りを見回すと、部屋の番号札のかかった古びた扉が、いくつか廊下の片側だけにあるのが分かる。
一番近いのは103号室だった。右手には102号室、左手には104号室がある。
…そして、104号室の先には、両開きの木の扉があった。
「…?あれ、何だ?」
カメラで撮影していた吉田先輩も、その扉に気づいたようで、訝しむように言った。
「えっ、なに、なに、、、むりむり、こわいって…急にそんな雰囲気にならないでえ…」
腕に誰かが縋り付いてきたかと思えば、それは場の空気に怯えた羽田さんで、怯えすぎとは思ったが同時に、正直お化け屋敷に一緒に行ったら楽しいタイプだとも思った。
隣でボソッと爽屋が呟いた。
「あの部屋って…参考にしたブログで紹介されてたっけ…?」
「ちょっと、不穏なこと言わないでよ!」
すかさず、沙耶香が答えたが、肝心の質問の答えにはなっていない。
…皆んな、答えられないのだ。
「…部屋数は書いてあったけど、客室限定の話だよね。
宿泊施設な訳だし、ロビー見たいなとこじゃない?…ほら、正面玄関、あの鍵がかかってたとこと繋がってたり。」
峰先輩のフォローに皆ほっとした顔で頷く。
でも、問題はこの後だ。
「……じゃ、入るか。」
吉田先輩は、恐る恐るといった様子で、両開きのドアに近づく。
そして、力一杯に開けた。
さて、どうなるのか!
っていうか、裏話というかメタいこと言わせて下さい。これ執筆時間夜なんです。夜、暗い部屋で、タブレットだけ灯りつけて、一人で書いてるんです。
…部屋が軋むの怖い(ガチで)
ホラー小説家への道は遠い(なれないっつーの)
ここまで読んでいただき、本当にありがとうございました!
もしよければ、続きもどうぞお願いします。