公開中
蝶と鬼と
リクエストありがとうございます!
今回は2つ目の方を採用させていただきます。
お楽しみください!
ここは死後の世界。
死後の世界と言っても、結構生きていた頃の世界と、ほとんど変わらない。
これはそんな、ある日常のお話。
---
〜しのぶside〜
「いい加減にしてください悲鳴嶼さん。」
「南無‥……阿弥陀‥仏…」
このように私は、なんと死後の世界でも皆さんの治療をしています。
でも最近、悩みがありまして…
---
「ふぅ…」
「あ、しのぶちゃん!考えてきてくれた?」
「なにをですか?用がないならさっさと去ってください。」
「えぇ…酷くない?俺泣いちゃうんだけどぉ……」
え、気持ちが悪いですね貴方。
と言いそうになって慌てて抑える。
というか、貴方感情ないでしょう?
「はぁ……それで?要件はなんでしょうか?」
ぴくぴくするこめかみを押さえつつ言い放つ。
「俺の恋人にならない?しのぶちゃん。」
「無理ですね。」
「即答⁉こんなにアプローチしてるのに‼⁉」
「あれで喜ばれるとでも思いましたか?」
なぜか趣味の悪い壺が置いてあったり。
腐った食べ物が置いてあるのはいつもの事。
本当に最悪だ。
「帰ってください。いますぐ。今すぐ。いますぐ。」
拳を固めて言い返す。
「なんで3回言うの⁉」
「うーん、これはあんまりやりたくなかったんだけど……」
「何でしょうか?お帰りください。」
作り物の笑顔で言う。
「やっぱ可愛いね‥しのぶちゃん。」
段々と私に近づいてくる。
正直気持ちが悪い。
顎クイ。
嫌でも視界に入る、顔。
…………こんなもので私が貴方に堕ちるとでも思ったのでしょうかね笑笑
「手首へし折りますよ」
あいつの手首に力を込める。
私も鬼殺隊の柱だ。
そこそこではあるが、力はある。
「えぇ…もう、しのぶちゃんたらさぁ…‥」
渋々手を離す、あいつ。
初めからそうしてくださいよ
「ではお帰りください、童磨さん。」
名前も呼びたくないので早く帰ってくれないだろうか。
「……」
「本当に冷たいね。しのぶちゃん。」
ふっと真面目な顔になる。
私を壁際に追い詰め、横に手をつく。
そこに体重をかけて、私との距離を詰める。
何がしたいんですか貴方。
好感度はあがるよりも下がりまくっていますが?
「好きだよ‥しのぶちゃん。」
ぶちっ
私の中で、何かが切れた。
「もう一度死んでください童磨さん笑笑」
袖に隠していた毒針を手の中へと移す。
別にこの世界でも、殺すことは可能だ。
死にはしないから、どこか遠くへ飛ばされる。
「ではさようなら。」
「えー、俺しのぶちゃんのことこんなに好きなのにー!なんでぇ?」
にやにやするのやめてもらえませんかね?
「貴方気持ちが悪いんですよ。とっとと消えてください。」
毒針を構える。
「そういえば、初めて合ったときもしのぶちゃんこんな感じだったよね。」
「はい?遺言ですか?」
「やっぱり、これが恋するってことなのかぁ?ねぇしのぶちゃん。」
「すごく魅力的だ。」
本当、無理。
「とっととくたばれ糞野郎」
---
ガラガラ……
「胡蝶、診察を頼みたいんだが…‥」
冨岡、義勇。
空気が読めない、というので有名な人だ。
「⁉胡蝶、こいつは‥」
「え、ああ…………」
今童磨さんは、床で寝てもらっています。
あとで毒針を突き刺すつもりです笑笑
「それで冨岡さん……
診療時間はとっくに過ぎていますよ?」
「すまない・・・」
いや、謝罪が聞きたいわけじゃないんですよ。
別にいいんですけどね。
「しのぶちゃん…誰…‥?そいつ…………ウグッ‥」
「大丈夫か胡蝶…?」
思いっきり踏みつけてやった。
「教えてあげましょうか?冨岡さんです冨岡さん。」
「まさか俺以外に男作ってたなんてね…………」
は?
私は迷いもなく、あいつに毒針を突き刺して遠くに送った。
あんなナルシスト男子、こちらから願い下げである。
「さて冨岡さん、診療始めますよ。」
「あ…ああ‥」
「今日は腕ですか?どれだけ怪我をしてくるんですか貴方。」
「もうやめてくださいね喧嘩は。」
「炭治郎君も心配していましたよ。」
「ああ……」
貴方の頭の中には、『あ』という単語しか入っていないんですか?
ばれないでしょうか。
きっと紅く染まっているであろう、私の頰。
そっと気持ちを仕舞い込んで、診療に励んだ。
---
「待っててよ…しのぶちゃーーーん‼」
童磨の叫び声が、悲しく木霊した。
長くなってしまいすみません…
書き出すと楽しくなってしまい‥
なんと2033文字。笑
改めて、リクエストありがとうございました!