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第五出動 ー 2体の知的生命体 ー
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いつものように、部屋に引きこもり、
ゲームをしていると、ふと外で音が聞こえたような気がした。
気になって 外に出ると、 ポストの蓋が少し揺れていて、
たった今、郵便が来たのが分かった。
何も頼んだ記憶はないが──
と思いつつ、ポストを開ける。
……と、見慣れない華やかな花で彩られた封筒が入っていた。
「……? なんだこれ」
自分の手の中にある見知らぬものに疑問を感じながらも、
とりあえず家の中に戻る。
「開けてみるか……」
そう言って、僕は静かに封を切る。
と、中には1枚の手紙となにやらチケットのようなものが入っていた。
手紙にはこう記されていた
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拝啓、 メガネさんへ
貴方を、私たちコビウリHoldingsが主催する小さな“お茶会”にご招待します。
もしよろしければ、気軽にご参加ください。
持ち物等は特にありませんが、苦手なお菓子やお茶がありましたら、是非お教え下さい。
コビウリ社長
みかこ
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……つまり、
「“お茶会に招待します” ってことか」
お茶会……か、数えるほどしかしたことがないな。
といっても授業でやったレベルだが。
まあ これも礼儀ってことだろうか。
面倒くさいが、参加はしよう。
……何か、重要事項があるのかもしれないし。
そうあれこれ考えていると、 ふと闇夜に浮かぶ大きな月に照らされ、窓に座った知的生命体が見えた。
「……何の用?」
そうきくと、“それ”は特に表情を変えることなく、平然と答えた。
〇「それ、僕たちも連れて行ってくれないかな?」
「……は?」
予想外の回答に困惑する。
△「うんうん。ぜひ行きたいべぇ!」
それと似たような姿格好をした生き物がもう一体現れる。
「どうして僕が連れていかなきゃならないんですか? ばるばる 、 ばるべぇ。」
そう嫌そうな顔で聞いた僕に、それらは答える。
ばるばる 「そんな嫌そうな顔をしないでくれよ。」
ばるべぇ 「そうばる! なんか重要なことがあるかもしれないばるよねぇ?」
その言葉を聞いて、僕はさらに怪訝そうな顔になる。
「嫌です。僕は連れていかないので、他の魔法少女に頼んでください。」
そう言うと、それは困ると言ったような雰囲気になった。
ばるばる 「それは困るよ。だって君以外はもう当たって全員に断られたんだから。」
「だからって僕にその仕事を押し付けないでください。」
「てか勝手に入ればどうですか?不法侵入なんてあなた達には用意でしよう。」
ちっちっちっと指をふって彼らはこう言い放った。
ばるばる 「僕たちは魔法少女の家以外には入らない主義なんだよ。勝手には。」
妙なところで正義感を発揮してくるな……と睨みつつ、無視をして僕はお茶会の準備を始めた。
ばるべぇ 「頼むばる!!」
「嫌です。」
さて、お茶会は明後日。
今の時期は冬。
なんども「ねぇねぇ」と話しかけてくるばるばるとばるべぇをどうにかかいくぐり、部屋中を歩き回って準備をする。
やはり、寒いからコートを着ていこうか、。
なんて考えていると、なんだか面倒くさいと思っていたこのお茶会も
楽しそうに思えてきた。
「お茶会……何だか良いものになりそうだ。」
そう思って、僕はまた準備を再開した。
そして、相変わらずしつこいな、こいつら。
早く出てってくれ。
ばるばる 「ねぇねぇ頼むよー!!」
そう言って聞かないので、首根っこをつかんで、ドアから適当に放り投げておいた。
あいつらならあの程度、どうってことないだろう。
明後日が 急に楽しみに思えてきた。
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