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正直すぎる教師と正直すぎる生徒
キンコンカンコン、校内にチャイムが鳴り響き、
生徒は全員席についた。
少し遅れて、教師が教室に入ってくる。
「先生!なぜ教師であるあなたが遅刻してるんですか!無能ですか!」
「先生は無能じゃありません授業の準備があったんです
毎日飯食ってクソするだけで褒められてるお前らとは違うんです」
教師は教科書の42ページを開くように指示してから、
今日する授業の内容について説明する。
「今日はめんどくさいけど桃太郎の読解をやります」
「先生!あれって餅を喉につまらせて死ぬ話でしたっけ!」
「うん、全然違うんで黙っててください」
黒板に教師が書いた文章の内容は、こういうものだった。
桃太郎の悪役とは、一体誰なのだろうか?
物語の構成に着目して考えてみよう...ということだ。
桃太郎の悪役といえば、読まなくてもすぐに分かる。
生徒が明らかに萎え始めたのを感じ、教師は付け加えた。
「ちなみに単細胞のお前らは今頃”鬼だろ?つまんね”とか
考えちゃってるかもしれないけど違います、浅はかです」
「先生!餅を作ったおばあさんが悪役だと思います!」
「うん、全然違うよね。餅の角に頭ぶつけたとかそういうんじゃないから」
教師は話し始めた。遠い昔、あの宝は誰のものであったかを...
あの宝は、元々鬼のものであった。ワンオペ育児に追われる鬼の母が、
必死で働いて手に入れたものであった。
だがその宝は人間に奪われてしまい、鬼の母は怒り狂った。
そして奪われた宝を、人間を虐殺することで奪い返し、
その取り戻した宝を使って鬼ヶ島へ移住した。
やっと生活も安定し、親子が家族団欒しながら
すき家の牛丼が食べられるようになった頃。
そこへやってきたのが桃太郎だった。
桃太郎は一家を虐殺し、母が命がけで取り戻した宝をまたも奪った。
「ここまで話したら馬鹿のお前らでも分かると思います」
「先生!そもそも鬼の父がギャンブルに金全部溶かして
鬼の母と子どもたちと多額の借金を置いて逃げたのが悪いと思います!」
「正解です佐々木くん!なんて言うわけないだろ馬鹿タレ!
そんな設定どこから生えてきたんだ!」
真に悪いのは先に鬼の宝を奪った人間。
そして物語の一部分だけを知って、さもすべて分かっているかのように
鬼を悪者扱いする私たち。
そういう道徳的なことを伝えたかった教師だったが、
子どもの教育というのは、なかなかうまくいかないものであった。
【教師】
ポンデリングが好き。授業中も食べてる。
もっちゅりんとかいう対抗馬は食さないようにしている。
性別、年齢不詳。正直だから多分聞いたらわかる。
【笹崎】
佐々木では無く、笹崎(さささき)。
訂正がめんどくさいので佐々木ということにしている。
妄想癖がある。じっちゃんは豆腐の角に頭ぶつけて死んだ。
作者の一言:本来わたくしの得意ジャンルはこっち方面です
温度差で死にたまへ