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気まぐれ小説~娘がくれた思い出のプレゼント~
私は|健太《けんた》。妻、私、そして娘の3人家族だ。今でも忘れない出来事がある。
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娘が5歳時のバレンタインのことだ。
「お父さん。今日は何月何日でしょうか?」
「ん?今日は、2月14日だよ」
「今日はバレンタインデーなんでしょ?だから、チョコあげる!」
「え?チョコレートはもっと好きな人にあげたら?」
「いや、お友達に教えてもらったの。確か、、、__友チョコじゃなくて義理チョコじゃなくて、、、__**本命チョコ!!**__多分、、、__」
「そんなの貰っていいのか?じゃあありがたくもらうな」
娘が初めて私にバレンタインで本命チョコをくれた。しかも自作らしい。
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その10年後の娘が15歳の時、娘は絶賛反抗期中だった。でも
「お、お父さん、、、。き、今日は何月何日?」
「今日は、2月14日だ。それがどうしたんだ?」
「ちょ、チョコレート。あげる。だって今日バレンタインだから、、、。でも、勘違いしないでね?ほ、本命チョコじゃないからね!」
__「可愛すぎだろ、、、。こんなかわいい子からプレゼントをもらっていいのか?」__
「ん?なんか文句でも?文句があるんだったら返してもらうけど」
「いや、大丈夫。ありがたくいただきます」
「何回も言うけど勘違いしないでね!」
「はいはい。__なにこれかわいいすぎんだろ。こんなのが身近にいていいのか?__」
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その時に食べたチョコの箱はいつまでも置いてる。なんせ思い出のものだからね。
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そんな可愛いツンデレの娘は、、、そのチョコを渡してくれた1年後の2月14日に、に、、、亡くなってしまった。交通事故による死亡だった。私と妻の唯一の娘だった。その娘が16歳という若さで亡くなったしまったのだ。そんなツンデレで家族思いの娘の最後のプレゼント。ただのプレゼントが私も娘のところに行くまでの大切な大切な宝物になった。