公開中
サイコパス…?
2.驚き
井上さんが目を覚まし、どうしたのか、部署全員を呼んだ。
「井上ちゃん、無理しなくていいのよ…。」
「そうですよ!でも、どうしたんですか?急に全員呼び出して…。」
井上さんが口を開いた。
「あ、あの、か、神川賢一が来たっていうのは本当なんですか…?」
「そ、そうだが…。どうしてだ?」
「あ…、む、昔、昔って言っても中学生くらいですけど…。神川賢一がまだ芸能界にいない時、付き合っていたんです…。」
「えっ…。井上さんと、神川賢一さんが、ですか…?」
「はい…。」
「それはっ…。井上ちゃんっ…。」
「でっ、でも!一年ちょっとで別れました…。なぜなら、私が転校してしまうことになったから…。
そのことは、メールで伝えました…。でも、未だに既読スルーのままです…。」
「まだ付き合っているってことに…。」
「いえ!ちゃんと「別れよう、さようなら」と書いたので、もう別れています。」
「そ…っか…。い、井上ちゃん!なんで付き合っていたの…?」
「そんなに深い理由はないのですが、神川賢一の方から告白してきて、その時神川賢一はモテていたので、嬉しかったのでいいよって…。そこが発端です…。」
「じゃぁ、好きではなかったって事なんですか?」
「そういうわけでは…。でも、付き合っていくうちに好きになるかな…と…。」
「あ、あ〜。」
ずっと黙っていた俺もなんとなく理解できた。
「なので、この会社に来たと聞いて、驚いてしまったんです。迷惑をおかけして申し訳ありません…。」
「ま、まぁ、そういう事なら、仕方ないです…。」
入江さん、情報整理が追いついた…?
「びっくりしたわ…。」
「そうかぁ〜、うん。」
俺は頷いただけだった。